●末尾ルコ「映画であなたの人生をより強靭に美しくする」講座~『ダリオ・アルジェントのドラキュラ』、さほどエロティックではないが魅力的なマルタ・ガスティーニとミリアム・ジョヴァネッリ。

『ダリオ・アルジェントのドラキュラ』。

監督はもちろんダリオ・アルジェント。
ドラキュラ伯爵はトーマス・クレッチマン。
ミナ・ハーカーがマルタ・ガスティーニ。
ルーシー・キスリンガーがアーシア・アルジェント。
そしてヴァン・ヘルシングにルトガー・ハウアーというビッグネーム。
ジョナサン・ハーカーにウナクス・ウガルデ。
タニアはミリアム・ジョヴァネッリ。

この俳優陣がなかなかいい。
ドラキュラ伯爵を演じたトーマス・クレッチマンはロマン・ポランスキー監督『戦場のピアニスト』の「ヴィルム・ホーゼンフェルト大尉」が最も印象的な東ドイツ出身の俳優。
『ダリオ・アルジェントのドラキュラ』では端正な美形ぶりがよく生かされている、クリストファー・リーの毒々しさはないけれど。
拾い物という表現は失礼だけど、ミナ・ハーカー役のマルタ・ガスティーニとタニア役のミリアム・ジョヴァネッリがよかった。
二人とも美形。
大女優とか大スターになりそうなクオリティではないけれど、要するに「ダリオ・アルジェント作品」にしっくりフィットするような美女であるということ。
作品上、マルタ・ガスティーニが清楚な女性、ミリアム・ジョヴァネッリがボリュームのあるプロポーションのセクシー美女という役回りで、バランスも取れている。
ダリオ・アルジェントと言えば、日本でその名を轟かせた、「決して、ひとりでは見ないでください」のコピーで大ヒットした『サスペリア』でもジェシカ・ハーパーを主演に起用してとてもいい感じのB級ホラー映画を作ったけれど、そんなキャスティングセンスもとても大切です。

●原稿依頼などは、気軽にサイドバーのアドレスへご連絡を!