●末尾ルコ「『タワーリング・インフェルノ』を過去の映画と思ったら大間違いの興奮モノだ!」。

末尾ルコ「映画で知性と感性を鍛えるレッスン」

本当に久しぶりに『タワーリング・インフェルノ』を観たのである。
(今観ても退屈するかなあ~、どうせ退屈するだろうなあ~~)などと思いながらも、なにせスティーヴ・マックイーンとポール・ニューマンであるからして、(よし、観てみよう!)となったわけだがあにはからんや、

おもしろい!

一分も退屈しない。
なんだ、これだと『ダイ・ハード』なんかちゃちに感じるじゃないか。
と言うか、『ダイ・ハード』には『タワーリング・インフェルノ』の影響が十分感じられますね。

かつて「パニック映画」というジャンルが世界を席巻していた時代。
『タワーリング・インフェルノ』はその絶頂を記録する作品であるが、登場人物の描き方が「グランドホテル形式」といって、要するに見せたいのは「高層ビル大火災」だけれど、取り敢えず脇役たちの人間模様も描いておこうというお約束に(ふへへ)と苦笑いしていた時代もあった。
が、今『タワーリング・インフェルノ』を観るとそれも新鮮に感じるから、「これは」という映画が再鑑賞、再々鑑賞しなければならない。
もちろん『タワーリング・インフェルノ』には「脇役」といっても、フレッド・アステア、ジェニファー・ジョーンズという往年のハリウッドの大大大スターが出ているのみでなく、ウィリアム・ホールデン、リチャード・チェンバレン、ロバート・ボーン、ロバート・ワグナー、エトセトラと、錚々たる面子だし、なにせ

スティーヴ・マックイーン
ポール・ニューマン
そして
フェイ・ダナウェイ

である。


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