●末尾ルコ「『タワーリング・インフェルノ』、ポール・ニューマンとフェイ・ダナウェイの高級感に満ちたショット」。

末尾ルコ「映画で知性と感性を鍛えるレッスン」

『タワーリング・インフェルノ』でポール・ニューマンとフェイ・ダナウェイだけが映るシーンがあるが、なにせこの二人の醸し出す高級感は凄い。
スティーヴ・マックイーンの高級感も言うまでもないが、『タワーリング・インフェルノ』では女優と共に演じるシーンがほとんどない。
フェイ・ダナウェイとスティーヴ・マックイーンは『華麗なる賭け』で共演しており、思えば、あの『俺たちに明日はない』から、つまり1960年代後半から1970年代後半まで、フェイ・ダナウェイはハリウッドのトップ女優として君臨していた。
1976年に『ネットワーク』でアカデミー主演女優賞を獲得。
正に頂点を極めたが、何とそのすぐ後から急降下し始めたのだから、女優のキャリアは難しい。
しかし繰り返しになるけれど、1960年代後半から1970年代後半までのフェイ・ダナウェイは見事な映画女優だった。

『俺たちに明日はない』のボニー・パーカーは永遠であり、『華麗なる賭け』『小さな巨人』『パリは霧にぬれて』『オクラホマ巨人』『チャイナタウン』『タワーリング・インフェルノ』
『コンドル』『ネットワーク』『さすらいの航海』・・・どの作品もが「一級」というわけではないが、「フェイ・ダナウェイ出演」というだけで楽しめる、そのくらいの女優だった。

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