●末尾ルコ「フェイ・ダナウェイから70年代ハリウッド女優を振り返るが、現代こそ女優黄金期か?」。

末尾ルコ「映画で知性と感性を鍛えるレッスン」

フェイ・ダナウェイについて次のように書いた。

『俺たちに明日はない』のボニー・パーカーは永遠であり、『華麗なる賭け』『小さな巨人』『パリは霧にぬれて』『オクラホマ巨人』『チャイナタウン』『タワーリング・インフェルノ』
『コンドル』『ネットワーク』『さすらいの航海』・・・どの作品もが「一級」というわけではないが、「フェイ・ダナウェイ出演」というだけで楽しめる、そのくらいの女優だった。

これら作品の中で映画初心者の方も楽しめるものを挙げると、

『俺たちに明日はない』
『華麗なる賭け』
『チャイナタウン』
『タワーリング・インフェルノ』
『コンドル』
『ネットワーク』となる。

いずれもエンターテイメント作品としての充実度も高く、『華麗なる賭け』や『コンドル』では、これまた最盛期のスティーヴ・マックイーンやロバート・レッドフォードも楽しむことができる。

ところでフェイ・ダナウェイを含め、1970年代は間違いなくアメリカン・ニュー・シネマの影響もあり、ハリウッドには「綺麗なスター女優」が少なかった。
もちろんフェイ・ダナウェイはとても魅惑的で、その顔を「綺麗だ」と感じる人もいるだろうが、やはり一般的には「美人女優」と呼ばれることはないだろう。
70年代、他にはジェーン・フォンダやゴールディ・ホーンなどが活躍しており、やや遅れてダイアン・キートンが一世を風靡したが、いずれも「美人女優」というタイプではなかった。
その点、現在は美貌と才能を兼ね備えたハリウッド女優が多く、「女優黄金期」の一つに差し掛かっていると言えるだろう。

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