●末尾ルコ「ふたりのイザベル、『ふたりのベロニカ』」。

末尾ルコ「映画で知性と感性を鍛えるレッスン」

2016年12月8日、国立西洋美術館の「クラナーハ展」入場者が10万人を超えたと報道された。
わたしももちろんクラナーハは大好きだが、日本にこれだけクラナーハを「観たい」という人たちがいるのかと驚きでもある。
この「10万人」という数字にはグッと注目しておこう。

『ふたりのベロニカ』はクシシユトフ・キエシロフスキ監督の忘れ難い映画だ。
「ふたりのイザベル」という映画があるかどうかは知らない。
しかしフランスと言うよりも、世界映画史の中に「ふたりのイザベル」が存在し、しかし一人はフェイドアウトし、もう一人は20世紀から21世紀にかけて、巨大になり続けている。

もちろん「ふたりのイザベル」の中に、イザベル・カレは入ってない。
いや、イザベル・カレもいい女優なのだけれど。

●原稿依頼などは、気軽にサイドバーのアドレスへご連絡を!