●末尾ルコ「要するに、フランス人の冒険心は昔から尋常ではないのである『ザ・ウォーク』」。

末尾ルコ「映画で知性と感性を鍛えるレッスン」

映画『ザ・ウォーク』は言うまでもなく1974年にフランス人綱渡りし師フィリップ・プチがニューヨークは世界貿易センタービルのツウィン・タワー間を綱渡りした実話を描いている。
フィリップ・プチを演じているのがジョセフ・ゴードン・レビットで、フランス文学に熱中した大学時代を持つとされるだけに、フランス人の役も十分様になっている。
プチのガールフレンドであり強力な協力者の女性をシャルロット・・ル・ボンが演じている。
シャルロット・ル・ボンはフランスでは十分知られた若手女優の一人で、コメディ的作品で強みを発揮する。
それにしても地上411mである。

地上411m。

わたしは高いところがあまり好きではないので、5階建てくらいから下を見下ろすのもあまり嬉しくないのだが、凄まじいことを思いつき実行する人間がいるものだ。
しかも不法行為であるから、映画中でも描かれているが、実際綱の上にいる時間に警官がやってくるのである。

フランス人は日本では「お洒落」だの「グルメ」だのといったイメージを持つ人が多いが、極めて冒険心に富んだ国民でもあり、その大きな成果の一つがサン・テグジュベリによる行動と作品である。

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