●末尾ルコ「ライアン・ゴズリングを語ろうと、『君に読む物語』のキスシーンを持ち出す」。

末尾ルコ「映画で知性と感性を鍛えるレッスン」

ニコラス・スパークス原作、ニック・カサベテス監督の『君に読む物語』のライアン・ゴズリングとレイチェル・マクアダムズのキスシーンがMTVムービー・アワードでベスト・キス賞に選出されたり、英Total Film誌が2013年に発表した「映画史に残る最高のキスシーン50」で4位にランクインしたりと、そのキスシーンは新たなるクラシックにさえなっている。
ただわたしは『君に読む物語』はさほど好きな映画ではない。
なにせニコラス・スパークス原作ということで物語のトーンが甘く、ニック・カサベテスの演出も甘い。
もちろんわたしはライアン・ゴズリングのファンで、ヒロインのレイチェル・マクアダムスも「観たい女優」の一人、さらにカサベテス監督の母であるカリスマ的女優ジーナ・ローランズも出ている。
が、比べてもせんないことではあるし、比べてはいけないのだろうけれど、どうしても偉大な父親ジョン・カサベテス監督のイメージが付きまとってしまうではないか。
(つづく)

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