●「チロル BLACK68 STRAWBERRY」の謎と感想的。

末尾ルコ「食と文学と政治で知性と感性を鍛えるレッスン」

3月のある夜のことだった。
ふと部屋の片隅を見れば、小さな黒い立方体がある。
(あんなもの、あんなところにあったのか?)
おれは訝った。
さっきから、愛用でもないけれど、2年くらいは遣い続けているLenovoのYouTube画面からマリオン・マレシャル・ルペンの早口が部屋中に行き渡っている。
(マリーヌ・ルペンとの関係はどうなってるんだろうね)などと思いつつも億劫がる体を起こして黒い立方体に近付く。
(チロル、か)
確かにそれはチロルチョコレートの一粒。
しかも、
「チロル BLACK68 STRAWBERRY」と表示されている。
(ふうむ、これはひょっとして、「フルーツとハイカカオチョコの組み合わせ。」と謳われる、あの「チロル BLACK68 STRAWBERRY」なのか?
包装を取り、がじりと齧ってみた。
(む?これは??)
ストロベリーソースが本当に甘酸っぱい。
口の中がキュッと引き締まるほどの甘酸っぱさだ。
(ほほお、これが大人も楽しめるチロルってやつかい・・・)
それにしてもと、おれはまだ訝る。
(チロルってやつあ、何で買った覚えがないのに部屋の中にあるのだろうね)