●ザ・ビーストに見せた、アントニオ・ロッカの見事なポテンシャル!&『ジャイアント台風』の、あのシーン。

末尾ルコ「プロレスで知性と感性を鍛えるレッスン」

さてYouTubeではまたしても、と言うか、もう既に日々の定番となってしまっているが、「おすすめ」のコーナーに魅惑的なプロレス動画が。
「The Beast vs Antonino Argentina Tony Rocca 1950's professional wrestling match」
鳥人アントニオ・ロッカはプロレスファンなら誰でも知っている、と言うか、プ女子はロッカ、知ってるんだろうねえ?
という疑問はさて置いて、しかし(The Beastって誰だっけ?)というわけで楽しく動画を視聴。
そのザ・ビースト、厚い顎鬚だけでなく、胸、そして背中や肩にももじゃもじゃと厚く体毛が生えているように見える。
(なるほど、これで「ビースト」になったんだな)と納得したが、伝説の鳥人ロッカとの試合はなかなか観応えあり、
『ジャイアント台風』の中で、馬場が花道を通ってリングに近付くと、ロッカが天井の証明に脚を掛けて逆さづりになり、「わはははは」とばかり笑いながら待ち受けていた姿を、わたしの弟は子ども時代にずっと、「現実にあったこと」と思っていたようだ。
が、鳥人ロッカ、容易に空中殺法は使わない。
ザ・ビーストの方も別に狂乱ファイトを仕掛けるのではなく、オーソドックスな腕打ちや力比べ中心で、しかも小柄なロッカよりさらに身長が低く見える。
目を引いたのはやはりロッカで、両足が実に器用に動き、時にトリッキーにビ―ストを挑発する。
フィニッシュはドロップキック、そしてロープを利してのフライング・ヘッドシザーズだったが、閃光のように鮮やかだ。
特にフライング・ヘッドシザーズ、現在のプロレスの技レベルで見ても、十分「鮮やか」で見事なものだった。