●「悪徳のレシピ、あるいはマルキ・ド・サドも吃驚か」~「竹輪の悪徳レシピ」篇。その1

末尾ルコ「食の話題で知性と感性を鍛えるレッスン」

高知のスーパーに行けば、練り物のコーナーが充実している。
各地のスーパーに訪問して調査したわけではないから比較はできないが、高知のスーパーには竹輪、蒲鉾、す巻きなどが、(これがあなたのソウルフードよ!)とばかりに並んでいる。
中でも最も日常に近しい練り物はまぎれもなく竹輪だ。
竹輪のね
 ハマナスの佐渡
  夕べ笛

と、丘みどりの「佐渡の夕笛」にちなんだ出鱈目短歌も捻り出てくるほど近しいのが竹輪である。

へ、てやんでえ、べらぼうめえ!!
へへ、この竹輪さんよう!
ンナロー、と来たもんだ!

と、さらに出鱈目短歌、
いや、これは出鱈目啖呵だったねえ~。

というわけで、

竹輪である。

しかし竹輪といっても販売されているものによってクオリティはけっこう違う。
だいたいが価格に比例していると言って差し支えないけれど、クオリティの高い竹輪は、

・歯応えがしっかりしている
・ジューシーで味わい深い
・魚感が十分にある

などの特徴がある。
「ジューシー」と言っても、噛んでじゅわあと魚スープが溢れるとか、そこまでのジューシーではなくて、もっと穏やかな、そう、「ジューシー感」とでも言うべき味わいである。
(つづく)