●桑子真帆『ニュースウォッチ9』の問題だけではない、NHKの「ポップ路線」に「受信料、返せ!」と言いたくなるわたしだ。

末尾ルコ「メデイア批判の話題で知性と感性を鍛えるレッスン」

桑子真帆アナウンサーがメイン司会のNHK『ニュースウォッチ9』が「ポップ過ぎる」などと言われているが、しかし誰がこのスタイルを好んでいるのかと訝しい気持ちになる。
桑子真帆は『ブラタモリ』で一躍知名度を上げたわけだが、そりゃああの番組のアシスタントになれば誰でも一気に名が知れるわけで、それはもちろんキャスターとしての力とは別の話である。
『ブラタモリ』出演時の桑子真帆は実にナチュラルに楽しそうに笑うので、わたしはけっこう気に入っていたのだが、同時に7時のニュースにも出ていたけれど、(硬いニュース番組では違和感があるな)と当時から感じていた。
その後『ブラタモリ』は近江友里恵アナに変わり、桑子アナは急に上がった知名度をあてにされて「ポップ路線」の『ニュースチェック11』を担当。
画面下部に予定調和の視聴者ツイッター投稿の言葉が流れるという企画は以前の番組からやっていたが、『ニュースチェック11』はラジオDJ風のテーブルにキャスターが座り、「ポップ」なインテリアに「ポップ」なカメラワークで「ポップで寛いだ時間と空間を演出」・・・しているつもりなのだろうが、いきなりスポーツキャスターがどアップで迫るなど、わたしにとっては「寛ぐ」どころかストレス値がアップするだけなのですぐに観なくなった。
しかし桑子アナが『ニュースウォッチ9』に移ってからも同番組は路線を変わらずやっているので、一定の支持者がいるのだろう。
ただ、『ニュースチェック11』は、「夜11時台に寛いで」という大義名分(?)があったわけだが、桑子アナと相棒の有馬アナが揃って移った夜9時台の『ニュースウォッチ9』にまで「ポップ路線」を引き継いだのは、まあ桑子アナ起用の時点で予想はできてはいたが。
それにしても、またしてもインテリアから「ポップ路線」であり、シリアスなニュースを伝える時には、という以前に、報道とは基本的にシリアスなもののはずなのだけれど、「ポップな内装」と「報道に不慣れな若手アナ」が伝える番組ではいけないと、まあ普通は感じますわな。

しかしNHK、問題は『ニュースウォッチ9』だけでなく、朝から晩までどんどん「ポップ路線」が進んでおり、総合だけでなく、eテレまでチャラい雰囲気が支配的になっている。
「こんな路線を続けるなら、受信料返せ!」と言いたくなっているのは、もちろんわたしである。
ついでに書いておくと、せっかくいいドキュメント番組なのに、「ナレーション 渡辺徹」とか、いりません。
局アナがやればいいじゃないか。
パリ・オペラ座バレエ学校のドキュメントのナレーションが渡辺徹だった「げんなり」は生涯忘れられるものではないのだ。