●エロティシズムの観点から、洋装で「坊がつる賛歌」を歌った杜このみは、セクシーか色香に溢れているか?

末尾ルコ「音楽とエロティシズムの話題で知性と感性を鍛えるレッスン」


6月18日のNHKプレミアム『新BSにっぽんの歌』を観ると、杜このみが司会をやっていて、しかしそれは2015年に収録されたものの再放送だったのだが、わたしが演歌と一切関わりを持ってなかった時期の杜このみを観ることができたというのは、あたかもタイムスリップしたような感興を抱いたというのは冗談である。
それにしても2015年の杜このみ、この番組では濃い紫の膝上ドレスを着用していたのだが、実に魅惑的でセクシーな外見となっていた。
この姿の杜このみは、「セクシー」と「色香」を足して割った佇まいであり、普段和装をしている演歌歌手が洋装をすると、以前であれば(ちょっとヘン)という場合が多かったが、さすがに近年は日本人の体形も変わっており、和装以上に魅力的になることも少なくない。
番組で杜このみが歌った曲は、「坊がつる讃歌」。
同曲は少し前の同じ番組で丘みどりも歌っているが、情緒溢れるゆったりとした旋律と歌詞が心地いい。
もともとはNHK「みんなのうた」で芹洋子によって歌われていたというが、わたしは知らなかった。
演歌歌手の出演する歌番組ではよく「過去のいい曲」を取り上げてくれるのでありがたい。
もちろん(どこが名曲だ!)という歌も少なくないが、それはご愛敬だ。

エロティシズムの観点からもう一度、この番組でドレス姿を見せてくれた杜このみについて復習しておくと、背は高くもなく低くもなく、太り過ぎてもおらず、目立って細くもない。
顔立ちは洋装だと案外エキゾテイックに見えるが、その要素が勝ち過ぎることもない。
そして大きなポイントなのだが、「決まり過ぎてない」のである。
どこか不自然な服の着こなし・・・・これはエロティシズムの観点から見れば、とてもポイントが高い。