●山田姉妹、『新・BS日本のうた』で、ザ・ピーナッツの『レモンのキッス』をキュートに美唱!

末尾ルコ「音楽の話題で知性と感性を鍛えるレッスン」

山田姉妹が6月25日放送の『新・BS日本のうた』で、ザ・ピーナッツの『レモンのキッス』を歌った。
わたしにとってのザ・ピーナッツ歌と言えば、映画『モスラ』であって、しかしこの怪獣映画をリアルタイムで観たわけではなく、リアルタイムでは『ガメラ対大魔獣ジャイガー』とか観てたなあ。
しかし『ガメラ対大魔獣ジャイガー』というと1970年であって、俺はかなりのジャリ(=キッズ)だったぞ。
というような話ではなくて、『新・BS日本のうた』で山田姉妹によって歌唱された『レモンのキッス』という曲をわたしは知らなくて、調べてみるともともとはナンシー・シナトラによって歌われていたという。
ナンシー・シナトラはフランク・シナトラの娘だけれど、なかなか多くのヒット曲に恵まれた米国のアイドル的存在だったというが、わたしにとってもっともなじみ深い一曲が、『007は二度死ぬ』のテーマ曲「You Only Live Twice」であり、この歌なんか、ぜひ山田姉妹の歌声で聴きたいのである。

『レモンのキッス』もナンシー・シナトラとザ・ピーナッツの歌も聴き比べてみたが、この両者の時点でかなりテイストが違っている。
シナトラはあくまで軽くポップな歌い方だけれど、ザ・ピーナッツは例の臈長けた、極めて強い磁力の歌唱で見事に「自分たちの歌」にしている。
で、山田姉妹の歌唱はどうだったかと言えば、とても頑張ってチャーミングに歌っていたけれど、まだこなれてない感は当然あった。
しかしそれはデビュー間もない二人にとって致し方ないことであり、何と言っても、最強の武器である「声楽エリート」の圧倒的クオリティを生かしながら、今後ポップスをどう歌いこなしていくか大注目だ。