●山田姉妹の目標の一つが『紅白歌合戦』であれば、わたしもそれをリスペクとすべきであるという話から、和田アキ子の歌唱についてへと。

末尾ルコ「音楽の話題で知性と感性を鍛えるレッスン」

7月11日のNHK『うたコン』はなかなか充実した内容だった。
地上波で放送される歌番組もすっかり少なくなっているが、『うたコン』は原則まともに歌を聴かせる番組の一つであり、特にまださほど実績のない歌手にとっては出演が励みになっているようだ。
「励み」と言えば、NHK『紅白歌合戦』について、わたしは子どもの頃からずっと何せロックリスナーであり、時にパンクバンドのヴォーカルでもあったもので、もちろん『紅白歌合戦』など鼻で嗤っていたものだが、最近演歌を愉しみ始めてから、過酷な芸能生活を送る多くの演歌歌手がいかに『紅白歌合戦』主演を「励み」にしているか知り、考えを少々変えているところだ。
演歌歌手だけでなく、クラシック性がクエリーである山田姉妹も目標の一つを『紅白』出演としており、そうなるとわたしも山田姉妹の『紅白歌合戦』初出場を応援すべきであり、かと言って昨今うようよ出演しているつまらないJ POP(すべてのJ POPを指しているわけではありません)と相容れるつもりはまったくないぞと楽しくジレンマしているわたしです。(←山田姉妹「水色のてがみ」風に。
『紅白歌合戦』と言えば、昨年は「和田アキ子が外された」という話題があったが、この和田アキ子という歌手、「言わずもがなのことを言ってしまう」正確にも難があると思うのだけど、特にかなりの歌関係や音楽関係の人たちから、「極めて優れた歌唱力がある」と見做されており、本人ももちろんそう信じているようだが、どうもわたしの心に沁みたことはないのである。
これは単に、わたしの音楽的嗜好が和田アキ子の歌唱に反応しないだけかもしれないけれど、単純な言葉で言えば、「味」とか「ニュアンス」を感じられないのだけれど、和田アキ子の歌唱からは。