●AKB48が、「ガチのプロレス」?『豆腐プロレス The REAL 2017 WIP CLIMAX』は愚か?グーか??

末尾ルコ「プロレスと芸能の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

AKBなんたらのメンバーも知らず、知るつもりもなく、と言うよりも、テレビ画面などで見かけたらすぐにチャンネルを変えることにしているが、「AKB48、ガチのプロレスで涙 松井珠理奈が大技デスティーノでメインを締める」などというネット記事を見かけたせいで読んでみざるを得なかった。
それは8月29日に後楽園ホールで行われた

『豆腐プロレス The REAL 2017 WIP CLIMAX』

というイベントだったのだというが、このイベントがどういう経緯で行われることになったのかには特に興味はない。
要は、後楽園ホールで「プロレス」と銘打たれ、観客を入れて試合が行われ、「プロレス」という言葉とともに報道されたことに着目したわけである。
しかし昭和の時代からプロレスを知っている者にとっては、「AKB48、ガチのプロレスで涙 松井珠理奈が大技デスティーノでメインを締める」という見出しの中の「ガチのプロレス」という部分はとてもおかしい。
「ガチ」のもとになった「ガチンコ」という言葉をプロレスの世界で使う場合は、「普段いろいろ取り決めなどがあるプロレスの試合の中で、例外的に勝敗のみを争うもの」という意味で使われるのであって、従来であれば、「ガチのプロレス」と表現されれば、「セメントマッチ」を意味するはずであるが、この記事の場合は、「真剣にプロレスの試合をやった」という意味で使われている。
おかしな話である。
それにしてもアイドルになりたくてAKBなんたらに入った人間たちに「プロレスをさせる」とはいかにも秋元康である。(褒めてはおりません)
今回の「プロレス」に参加したメンバー全員がこの企画を喜んだとはとても思えないが。

このAKBなんたらが行った「プロレス」とは、ミラノ・コレクションA.T.によって技術指導されたという。
パワーストーンズ(JURINA&白間)が初代WIP初代タッグ王者となり、立会人の永田裕志がチャンピオンベルトを贈呈したとされる。

この話題を「プロレスの話題」とするのはどうかとも思うが、「プロレスという概念の変遷」を考える上でも時間の無駄にはならないだろう。