●やはりチャン・イーモウは別格、『サンザシの樹の下で』に胸と目頭を熱くする。

末尾ルコ「映画の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

チャン・イーモウが世界でも別格的な映画監督の一人であることは既に1990年代には分かっていたが、とは言え、予算的に大作に取り組むと(???)という出来になることもあった。
が、淡々と切々と人間心理、特に恋愛心理を描かせば抜群の冴えを見せ、『サンザシの樹の下で』もそんな作品の一つである。
細かな話はまたおいおいやっていくけれど、恋愛を描いた映画のクライマックスで目頭が熱くなるなんて、昨今そうそうない体験ができたのが、この『サンザシの樹の下で』なのである。