●わたしが『タイガーマスク』の「グレートゼブラ」の切なさと股間についてよりも書きたかったこととは?

末尾ルコ「プロレスの話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

漫画『タイガーマスク』の中に出てくる数々のマスクマンの中でも現在も語り草になっているキャラクターの一人(?)が「グレート・ゼブラ」である。
「ゼブラ」と名乗るだけにシマウマのデザインをあしらったマスクと言うよりも、全身を覆うボディスーツを着用しており、アフリカ出身と自称しているが流暢な日本語を喋る上に、体格も顔の形もジャイアント馬場そっくりの「謎のマスクマン」である。
『タイガーマスク』を読んでいて、この「クレートゼブラ」が登場した瞬間にその正体に気づかない人はなかなかのものだと思うけれど、まあひとそれぞれですからネ。
そう、「グレートゼブラ」の正体はジャイアント馬場である。

それにしても国民的大スター、ジャイアント馬場が敢えて「グレートゼブラ」と化して登場したのはいかなる仕儀であったのか?
実はこの少し前、純粋なる魂を持った男 ジャイアント馬場は傷ついたのである。
なぜに?
友情によって固く結ばれた絆ができたと信じていたタイガーマスクに「裏切られた」と思ってしまったのである。
ここで詳細な状況説明はしないが、タイガーの方にもちろん馬場を裏切るつもりはなく、裏切りたいわけではない。
虎の穴の恐るべき計略に嵌ってしまい、そうせざるを得なくなってしまったのだ。
切ないタイガーマスク、切ないジャイアント馬場・・・伊達直人のコートにも凍てつく木枯らしがまとわりつく(季節の設定がどうだったかは忘れたが・・・その巻は持っているけれど、わたしの部屋は本が散乱しているのですぐに見つからない)
そう言えばタイガーマスクはマスクとマントを着用したままでよく街を歩いていたものだ。
しかしこれ以上ないほど人間のできたジャイアント馬場はタイガーマスクを見捨てたわけではなかった。
それどころか、ずっと見つめていた。
虎の穴の陰謀により続け様に無法で凶悪なプロレスを仕掛けてくる悪逆覆面レスラーたちと命懸けの戦いを繰り広げていたタイガーマスクの「無私の戦い」を、ジャイアント馬場はずっと見ていたのだ。

そこで「グレートゼブラ」の登場と相成るわけだが、このゼブラのボディスーツに包まれた股間がどうも気になる点については多く語るまい。
そもそもわたしはこの文章を書き始めた時、こんなに長く「グレートゼブラ」で引っ張るつもりはなかったのだ。
それでもここまで引っ張れた。
それだけ「偉大なるシマウマ」であるところの「グレートゼブラ」に魅力があると言うことなのか。
Viva!グレートゼブラ!!Bravo!グレートゼブラ!!!!

(わたしが「グレートゼブラ」から書き始めて、何を書きたかったのかは後日明らかになるだろう)