●日本のテレビ史上屈指の珍番組か?『レッツゴーヤング』から生まれたトンデモアイドルソング

末尾ルコ「音楽の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

かつてNHKに『レッツゴーヤング』という番組があって、わたしはその熱心な視聴者だった例(ためし)はないが、日曜の夕方に放送していたのでかなりの頻度で眺めていた。

『レッツゴーヤング』が放送されていたのは、1974年~1986年だということで、かなり長期間に渡る番組だったわけ。

歴代の司会者を見てみると、1974年から、

鈴木ヒロミツ
都倉俊一
平尾昌晃
太川陽介

となっているが、わたしは鈴木ヒロミツがやっていた姿は記憶になく、都倉俊一司会の時期から観始めた可能性が高い。
『レッツゴーヤング』の最晩年に司会を務めた太川陽介だが、現在もBSで演歌中心の番組の司会をやっているけれど、久々にその姿を目にした時はかなり驚いたものだ。
どうして驚いたかはご想像にお任せするが、:『Lui-Lui』)を歌っていた頃の太川陽介を知っていた方であればだいたい理解していただけるのではないか。


『レッツゴーヤング』は「アイドル歌番組」と言うべき番組で、当然演歌歌手などは出演しない。
番組には「サンデーズ」という『レッツゴーヤング』のオリジナル・グループが構えられていて、そのメンバー個々の持ち歌もあれば、「サンデーズ」として披露する歌もあった。
そしてこの「サンデーズ」が今となっては、と言う以前に、当時から「ネタの宝庫」と化しており、「サンデーズ」として披露する歌も、メンバー個々のオリジナルソングも、近年なかなかお目にかかることのないトンデモソングがてんこ盛りだった。
「サンデーズ」には松田聖子らもメンバーとして存在していた時期もあったが、どんどん代替わりしていくシステムであり、多くは「一発屋」にさえなることなく、一曲のトンデモソングを歌う姿のみ人々の記憶に残して消えて行った。
次に挙げるのは、「タイトルを見ただけでも笑えるトンデモソング」の一部である。

天馬ルミ子『教えてください、神様』
太川陽介『Lui-Lui』
渋谷哲平『Deep (ディープ)』
堤大二郎『燃えてパッション』
新田純一『Hop Step 愛』
ひかる一平『ハートがCRY CRY』

また機会があれば、個々の歌についてもお話してみたいが、当時こうした曲を目に耳にしながら、(本気で売ろうと思って作ってんのか、こりゃあ)と感じていたものだ。
もっともシブガキ隊あたりの歌も似たようなものではあるが。