●ブルボン「ルマンドアイス」を食べて感想などを述べつつ、その社名の由来や『ピンク・フラミンゴ』や『フリークス』に思いを馳せる。

末尾ルコ「食と映画の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

ブルボンの「ルマンド」と言えば、わたしが子どもの頃から存在しているお・か・し。
もちろんわたしは子ども時代、「ルマンド」のお世話になることしばしばであって。
ここで言う「お世話になる」とはもちろん「泉じゅんにお世話になる」の「お世話になる」とはまったく意味が違っていて、「ルマンド」に「泉じゅんにお世話になる」という意味で「お世話になっている」御仁がいれば、ぜひ会ってみたく・・・ない。
いやけれど世の中広いもので、かつてジョン・ウォーターズの奇作映画『ピンク・フラミンゴ』を観た際にそのチラシに書かれていたのが、「万物フェティシズム」という珍奇な言葉。
それは映画の中のディヴァイン演ずる(?)登場人物のアイデンティティとして語られていたのだと記憶するけれど、『ピンク・フラミンゴ』、さほどのことはなかったです。
それはマイナーにしてアングラな上映会で、トッド・ブラウニング監督の『フリークス』との2本立てであった。
いろいろな意味で映画史に刻まれている『フリークス』だけれど、初鑑賞当時は特に強い印象は持たなかった。
その後、同作品を淀川長治らが絶賛しているのを知り、また観てみようと思いつつまだ観ていない。
いや、この文章はブルボンの「ルマンド」についてしたためるはずのものであり、これ以上横道に逸れるわけにはいかないとの決意の下に、しかしbourbonとはなかなかに大それた社名であるなあとあらためて感慨深げなわたしです(←山田姉妹「みずいろの手紙」風に)。
Bourbonとはフランスのブルボン家(Maison de Bourbon)、ブルボン王朝(dynastie des Bourbons)を彷彿させるネーミングだが、実際に何を由来としたかは、今のところわたしの知るところではない。
それにしてもブルボンが、1924年(大正13年)に「北日本製菓」としてスタートしたとはなかなかに歴史を持った会社であるとは言える。

ブルボンの「ルマンド」について語れるとすれば、「とても美味しい」わけではなく、もちろん「不味い」わけではなく、「いつも食べたくなる」わけではないが、食べると「まずまずの満足感」を得られるものであるけれど、時に「この味飽きたな」という感も抱くが、価格の割には「上品な味やパリパリと快い食感」であることは間違いない、といったところか。

などと書いているのは最近、ブルボンの「ルマンドアイス」なる商品を食したからで、「アイス最中にルマンドが入った」がコンセプトなのであるけれど、その分、ややバニラ感などが希薄だったかなとも感じたのである。