●信号待ちでエンストを起こし、「社会の迷惑」となってしまった私の胸に・・・。

末尾ルコ「日常トラブルの話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

11月後半の某日、高知市内某所の信号でエンストを起こし、多くの車両にご迷惑をかけてしまったのはわたしです。
もう優に20年は乗り、しかも「メカに弱い」ことは自動車に関しても同様で、車検時以外は整備もほとんどしないという有様なるがゆえに自業自得としか言いようがないのであるが、次の車検(2018年2月)辺りまで持たして新しい車に替えようと、ずるずると引っ張ってきて今に至っているわけであります。
いつもお世話になっている車屋さんもそんなわたしと当該の車にはほとほと手を焼いており、実は今年は既に二度修理を頼んでいるのだけれどそのたびに早い段階で故障を起こしてしまっていて、普通なら車屋に「直したばっかりなのに、どうなっとるんじゃ!」と詰め寄るべきところなのだけれど、いつもかなり安くしてもらっていることもあり、あまりキツいことも言い難い。
確か9月だったろうか、セルモーターがイカれて交換したのだけれど、その後も駐車場などでのエンスト症状は無くならなっていなかった。
そしてついに、「信号待ち状態でのエンスト」である。
実は「信号待ち状態でのエンスト」もさほど珍しいことではなくなっていたのだが、直ぐにまたエンジンが起動していたので大きなもんだいにはなっていなかった。
ところがこの度はエンジンがうんともすんとも言わない。
さらに「実は」ということになるが、バッテリーも既に交換を勧められていいたけれど、(もうちょっといけるんじゃないか)の繰り返しで現在まで至っていたのは不徳の致すところであると言う他はない。
不幸中の幸いで、小さめの交差点であり、追突の可能性はまずなかったが、それでも夕方4時過ぎだ、買い物や帰宅、帰社などの車がどんどんやって来る。
車から出て、前後左右のドライバーたちに平謝りの姿勢を取りながら、しかも予想をはるかに上回る雨も降り出した。
ほとんどのドライバーたちは特に文句をつけたりするでもなく、わたしの車の横を抜けて行ってくれたけれど、いかにもベタな「高知のおんちゃん」的男性が、「何やりゆうがなや!」と怒鳴って通り過ぎた。
まあ、悪いのはわたしだから、謝るしかない。(わたしなら、怒鳴ったりはしないが)とも思ったが。とは言え、
(何と、俺は今、社会の迷惑になっていることか)・・・つくづく感じていたら、誰かが呼んだのだろうか、パトカーがやってきた。
事情を説明すると、一緒に車を押してくれて、安全な場所まで退避。
眼鏡をかけた丸顔のポリスマンが、無線に向かって、「渋滞解消!」と通信した。
しばらくして、JAFが到着。
そうしてわたしのポンコツ車は、いつもの車屋さんへ持ち込まれた仕儀となった。

ではなぜわたしがポンコツ車をずるずる引っ張っていたかと言えば、とりもなおさず、

現在、経済的余裕に欠ける

からである。

暗闇に包まれながらわたしは、

(ち、今に見てろよ)と心で呟いた。