●「怪奇布団捻じれ現象」発生で「読者への挑戦」、そして吉岡清十郎の剣の如き「坂本冬美30周年リサイタル」の歌唱。

末尾ルコ「日常描写と音楽の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

朝起きるとわたしを覆っていた上下の布団が捻じれている怪現象が起こる。
(バカな!昨夜あれほど丁寧に布団を整えたのに・・・)わたしは驚愕する。
わたしはベッドで寝ているが、特に掛布団類は多い。
寒がりなのである。
しかし夏は暑がりなのである。
困ったものであるし、体質強化への努力はしているのだけれど、実は去年までの2年間ほどいささかエクササイズをさぼり気味で体が鈍っていたのであり、今少々苦労しているのである。
それはさて置き、寝る前にしっかり整えたはずの布団がなぜ起きた時に捻じれているのか?
まさか誰かがわたしの寝姿に欲情し、夜這いを試みたけれど、就寝中でさえ一部の隙もない拝一刀のごときオーラに圧倒され、せめてもの意趣返しに布団を捻じっていったとか・・・まあそんなこと考えませんけどね。
もちろん幼き頃には名探偵を自称していたわたしである。
もちろん「怪奇布団捻じれ現象」の理由は看過している。

「読者への挑戦」

怪奇布団捻じれ現象はなぜ生じたか?

さあ、推理タイムは3秒だ!
1, 2で、3と。
はい、時間切れ(^_-)-☆

おそらく誰も答えを導き出せなかったに違いない。
それは致し方ないことだ。
誰もが名探偵になれるわけではないのだから。
では、わたしが種明かしをしよう。
それは、

「夜の間に、わたしが何度か寝返りを打ったからである。」

・・・あまりの驚天動地のカラクリに衝撃を受けている方もいるかもしれない。
確かにこれは、ポオの「モルグ街の殺人事件」を初めて読んだ人たちが受けた衝撃と同種のものかもしれないし、あるいはルメートルの「その女アレックス」さえ早くも(過去のものとなってしまった)と嘆く方もいるだろう。
しかしこれが現実なのである・・・。

と、まるで「本格推理小説」のような感じにしちゃいました、と。
「読者への挑戦」というページ、エラリー・クイーンなどで有名だったけれど、わたしはそのページで立ち止まって犯人探しやトリック破りなどに時間をかけることはなかった。
面倒くさいじゃないですか。
そのページまでに起こった出来事なんて、だいたい忘れているし(笑)。

などと書きつつYouTubeで視聴しているのが、「坂本冬美30周年リサイタル」(https://www.youtube.com/watch?v=pIEHDAY6UoY

現在の坂本冬美は、『バガボンド』の吉岡清十郎が、身体から一切力を抜いた状態で恐るべき剣を揮うが如き境地に達している感がある。
この力の抜き方、出し入れ、それでいて見事に心にまで届く歌い方。