●17歳のユーチューバー殺害事件~多数の銃弾を浴びた少年は何をやっていたのか?

末尾ルコ「社会観察の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

12月25日、Yahooニュースで次のような見出しの記事を見つけた。

「17歳のユーチューバー、殺害される 麻薬王を下品な言葉で侮辱していた」

しかしこれは日本の話ではなく、メキシコでのこと。
17歳のユーチューバーの名は「フアン・ラグナス」といい、15歳で高校を中退し、現在はユーチューバーだったという。

この17歳のまあ「少年」は、メキシコでは18歳からの飲酒だそうだが、「酒に酔って悪ふざけをする動画」などで人気者となり、何と、

「Facebookに100万以上、Instagramには30万以上のフォロアー」だという。

ちょっと馬鹿馬鹿しくて、やってられないな、というのがわたしの本音ではある。
しかし「大部分の大衆の関心」というのは、今も昔もこの程度なのだろう。
いや、「スマホ」というとんでもない商品の流通により、「大部分の大衆の関心」は、例えば30年程度前と比べても、大きく愚劣化しているのではないか。
もちろんネットもスマホも本来は「道具」に過ぎないのであって、使い方次第で人間を高める強い武器となるもののはずだが、要するに「大部分の大衆」はそんな使い方には興味ないわけだ。

で、このメキシコの少年ユーチューバー、麻薬組織「カルテル・デ・ハリスコ・ヌエバ・ヘネラシオン(CJNG)」のボスを下ネタを含んだ下品な言葉で罵った。
そして18日、友人とパーティーのパーティ中に押し入った武装集団によって、「15~18発の銃弾を浴びせられた」とされている。
もっとも同記事の時点では、この事件に対してCJNGが関与しているは確認できていないとされている。

もちろん「殺人」は言語道断であるという前提の話である。
しかしユーチューバーにせよ、一部炎上芸が売り物の著名ブロガーにせよ、ひとたび「下世話な刺激」によって注目やポピュラリティを獲得しても、「同じこと」をやっていてはすぐに飽きられるものである。
だから「前の下世話な刺激よりもさらに下世話な刺激」をやらなければならないと、間違いなく彼らはそう考えるわけだ。
少し前にも「危険な場所」、つまり高いビルなどでの危険な撮影動画で稼いでいた中国人がビルから落下して死亡している。

そしてユーチューバーだけでなく、少し前の長谷川豊のように、やたらと攻撃的でゲスな言葉づかいで読者の関心を得ている「著名ブロガー」も数多い。

・・・このテーマ、現代を語る上でとても重要なので、継続して取り上げていこうと思っている。