●『五木先生の歌う!SHOW学校』の名シーン、丘みどりの「涙そうそう」の「そうそうそうそう」と天童よしみの『いなかっぺ大将』。

末尾ルコ「音楽の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

NHKで『五木先生の歌う!SHOW学校』という番組を、「年に数回」のペースのようだが、放送している。
これが実に充実した番組で、わたしが演歌その他「日本のポピュラー音楽」に対して強く関心を持つようになったきっかけも、2017年4月放送分の『五木先生の歌う!SHOW学校』なのである。
その時の『五木先生の歌う!SHOW学校』に出演していたのが丘みどりで、「涙そうそう」を歌うのだが、これが絶品。
しかも、(ええ?この人、演歌歌手??)という驚愕の(笑)可憐な容姿で歌うものだから、すぐにグーグル検索してしまった次第なのである。
さらに歌う前、「涙そうそう」について五木ひろしが、
―「涙そうそう」の意味は知っているね。
と問うと、丘みどりはあっさり、
―はい。
と答える。
―じゃあ、言ってみて。
と促すと、丘みどり、
―涙(なみだ)がそうそう
と、あの可憐な顔で屈託なく答える。もちろん五木先生、「そうそうの意味は?」と追及。
すると丘みどり、あの可憐な顔に素っ頓狂な表情を浮かべ、口を突き出して、
―そうそう?
と顔いっぱいに「?」印だ!
しかしそこで止まってしまう二人ではない。
なぜか二人声をそろえて、
―そうそうそうそう、
そうそうそうそう
そうそう!

・・・と、これ、あんまりおもしろいので何度観たか分からない。

『五木先生の歌う!SHOW学校』の1月分放送には丘みどりらに加え、「転校生」として天童よしみが出演していた。
天童よしみが女子高生のブレザーを着て出てくるだけでも反則並みのおもしろさなのだが、当人もご自分の体形を自覚した上でパロディ化しているので気持ちよく笑える。
さらに驚いたのは、天童よしみ登場時、『いなかっぺ大将』の主題歌「大ちゃん数え唄/いなかっぺ大将」を歌いながら出てくるのだけど、それがめちゃめちゃ上手いのである。
天童よしみが歌が上手いのは当然のことではあるけれど、子どもの頃に慣れ親しんでいた
『いなかっぺ大将』の主題歌がこれほどまでに上手なのかと感服していて、ちょこっと検索チェックをしてみたら、この歌、天童よしみの持ち歌なのですな。
つまりアニメ『いなかっぺ大将』の主題歌は、かつて「吉田よしみ」名義で歌っていた天童よしみのオリジナル曲として作られていたというわけだ。
まあこれ、知っている人は昔からずっと知っていたのだろうけれど、わたしは知らなかったもので、「驚き」のひとことであり、この名曲を歌っていたということで、天童よしみに対する敬意の念がドント・ストップ状態の昨今である。