●「シメパフェ」が流行っている?本当か?あるいはデパート屋上のオレンジジュース。

末尾ルコ「食の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

NHK『おはよう日本』で「シメパフェが流行っている」という特集があった。
「~が流行っている」なんていう情報には様々な意図が含まれているもので、話半分よりもずっと低く見積もって値踏みするのだけれど、まあ「話題のひとつ」としてチェックしてみることはあり、「シメパフェ」もちょっとやってみた。
「シメパフェ」とは「飲食の後の締めにパフェを食べる」という人間の行動(笑)であり、「シメパフェ」で検索するとまず「札幌シメパフェ」が出てくるように(2018年3月某日現在)、「札幌で流行り、全国へ波及しつつある」という切り口で語られていた。
そもそも「パフェ」という言葉がフランス語の「parfait」から来ていることは、「よく」というほどではないにしてもある程度知られている。
しかしフランス語の「parfait」であればその読みは、「パルフェ」であり、「パフェ」が定着したのは英語読みにしたからだと言うが、英語で「parfait」は「perfect」であり、つまり「パーフェクト」。
「パフェ」が日本でもともと「パーフェクト」という名の食べ物であれば、これほどまでに定着したかどうか、それは歴史の神のみぞ知ることである。
なんて、わざと「歴史の神」などと書いてみたが、実はわたしはこのような言い方が好きではない。
「野球の神様」とか「卓球の神様」とか、「野球がやたらと上手な人」などをそう呼ぶのであればまだしも、「野球という競技そのものに神様が存在し、その神様が自分を見守ってくれていたり、時に力を与えてくれる」なんていう適当な考え方はわたしの嗜好に合わないのであるが、これは個人的好みの話。

「パフェ」の話に戻ると、「シメパフェ」とか、食後にそのようなボリュームたっぷりのお菓子を食べたら、摂取カロリーが跳ね上がること必定だと思うのだが、いかがなものか。
ちなみにわたしは、「スイーツ」という言葉もパロディ的にしか使わない。

それにしてもわたしは人生の中で何度パフェを食べただろうか。
少なくとも大人になってからは、パフェを注文した記憶はない。
わたしの弟はけっこうその手のものが好きで、一緒にレストランへ足を運んだ時などは、少しだけ相伴させてもらう時もある。
子どもの頃に親と行ったレストランや喫茶店で何度となくパフェを食べていたのは間違いないが、パフェに魅了されていたという印象は残っていない。
やはりパフェよりもレストランのホットケーキである。
あの表面が香ばしく、中はしっとり、そこへバターとシロップを染み込ませて食べる味は何物にも代え難い充足感があった。
あと、特に好きというわけではなかったが、デパートの屋上などに設置してあった、どう考えても果汁は一滴も入ってないこと明らかなオレンジジュースを売っていたマシン。

ちなみに高知のデパート状況は、もともと大丸だけだったが、ある期間西部が進出したけれど撤退、現在再び大丸のみとなっていて、基本的にデパート文化というものも希薄な地域なのである。