●プロレス技試論~フライング・クロス・チョップと叫びながら飛んできた少年、あるいは馬場とツイスト&シャウト。

末尾ルコ「プロレスの話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

次にリストアップした関係性を見ていただきたい。

棚橋弘至→ハイフライフロー、ツイスト&シャウト(笑)
オカダカズチカ→レインメーカー
内藤哲也→デスティーノ
EVIL→EVIL(笑)
ケニー・オメガ→片翼の天使

もちろん現在新日本プロレスのリングで活躍中のレスラーたちの名前とその得意技である。
しかしこの技の名前を見て、

「ツイスト&シャウトを駆使する馬場」とか
「片翼の天使を繰り出す永源遥」とか、

できたら観たかったと思うのは、わたしだけ・・・かもしれないが。
しかし「レインメーカー」って、「ちょっとしたラリアート」のような…。
それを言うなら、「EVIL」って、「ちょっとした払い腰」のような・・・。
まあシンプルな技にちょっとオリジナルな動きを加え、あとは「ネーミング」の勝負というやつでしょうな。

ところでプロレスって、わたしが小中学の頃は、多くの少年が観ていたわけだ。
それは夜8時にプロレス番組が放送されていたのだから、現在の状況とは比較できないが、少年ファンってどのくらいいるのか興味があるが、はっきりとしたデータはなかなか探せない。
まあ要するに、小中学生が学校でプロレスの話題をすることもあるのかどうか。
そして別に偉らかあないけれど、プロレス技は学校で少年たちに真似されているだろうかという疑問。

もちろん先に挙げた現在のプロレス技は、素人が真似するには危険なものばかりだし、昭和の時代から「プロレス技を真似してはいけません」という前提はあった。
しかしそれでも少年たちにとっては真似したくなる魅力があったのがプロレス技であって、例えば、ミル・マスカラスが流行った時期には、教室や廊下で、「フライング・クロスチョップう!」と叫びながら、やや斜め向きに飛んでくる同級生がかなりいたものだ。
その中の一人の口癖は、「馬場の16文らあぜんぜん効かん!けんどフライング・クロス・チョップは必殺技よ」というものだったが、わたしはそんな純真な心を傷つける気はなかったので、「うん、うん」と頷きながら、心では(いや、それほどでも・・・)と苦笑していたわけですな。
フライング・クロス・チョップって、体重が外側に逃げてしまうのである。
それはさて置き、さほどプロレスに詳しくない少年にまで膾炙していたプロレス技と言えば、やはり「コブラツイスト」、そして「チョップ」だった。(つづく)