●現在映画の傑作『ローガン』の中の西部劇『シェーン』。

末尾ルコ「映画の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

映画『ローガン』は米国映画伝統のロードムービーでありバディムービーであるとも言えるし、西部劇へのオマージュであるとも言える。
しかしそうした説明の範疇に収まりきらないパワーが『ローガン』にはある。
そのパワーは例えば見せかけの筋肉から感じられる表面的なものではなく、腹の底から、地の底からじりじりと湧き出てくるパワー。

見えざる地下でどろどろと燃えているマグマのような。

宿命的なミュータント少女ローラとともに旅するローガンだが、ある場所のテレビにある映画が映っている。
「ある映画」とは何か?
『シェーン』である。

そのシーンだけでも、体は心底から痺れる。