●田村正和『若さま侍捕物』の必殺独楽を見て、ジャイアント馬場の『水戸黄門』論を思い出しただけでなく、コスプレ天気 酒井千佳の新番組についてまで言及する。

末尾ルコ「時代劇の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

BS12で田村正和の『若さま侍捕物帖』を観始めたかと思ったら、もう最終回で終わったし(笑)。
「週一放送」じゃなかったのね、これ。
それはさて置き、『若さま侍捕物帖』は結局2話分しか観ることができなかったが、わたしが目撃したエピソードのクライマックスでは、田村正和の放ったでっかい独楽が悪人を襲う!
そして田村正和が何人もの悪人をばっさばっさと斬りまくっている最中も、でっかい独楽は悪党の倒れた額の上でぐるぐると廻り、その芯はぐいぐいと悪党面の頭蓋骨を掘り下げていく。
う~ん、いいですなあ、この馬鹿馬鹿しさ。
わたしはこのような馬鹿馬鹿しさは原則好みなのだが、ふと思い出したことがある。
それはジャイアント馬場がテレビ時代劇の『水戸黄門』について語っていた内容だ。


ジャイアント馬場が熱心な『水戸黄門』愛好家だった話はよく知られているが、同番組の視聴率が下がってきた時期だっただろうけれど、「最近の『水戸黄門』は忍者を出し過ぎ」と苦言を呈していた。
わたしは『水戸黄門』をそんなに熱心に観ていたわけではないが、やはり東野英治郎や西村晃が黄門様の頃は風格がありましたわなあ。
しかし東野英治郎以前にも月形龍之介らが黄門様を演じているようだが、そのあたりはわたしはまったく知らない。
件の馬場発言を聴いた頃、わたしは特に『水戸黄門』を観てはいなかったが、ちらちら目に入ってくる映像からは、確かに「ちゃち」になってきている感は伝わってきた。
もちろんもともとテレビ『水戸黄門』のストーリーは荒唐無稽なものであり、黄門様が諸国漫遊している時点で御伽噺、「印籠」ですべて解決する時点で漫画なのだけれど、その基本展開の中でどれだけのものをプラスマイナスすれば視聴者を満足させられるかという問題だったのだろが、けれどあの時期、既に時代劇自体に対する興味が失われてきつつあったのも事実で、長寿番組として君臨していた『水戸黄門』の苦しみは、「時代劇そのものの苦しみ」だったのかもしれない、と無難に纏めたりして。

ところで『おはよう日本』のコスプレ天気などでウケる人にはウケていた酒井千佳が番組を降板するというお話は既にしたが、何と(というほどでもないが)フジテレビの夕方ニュースの天気キャスターになっているではないか。
なんだ、別に「クビ」になったんじゃなくて、引き抜かれたのね、と。