●「記憶の遠近感」~あいざき進也の1974年ヒット曲と女性アイドルのファンになる日本人女性の話。

末尾ルコ「音楽と昭和芸能史の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

ふと「あいざき進也」という名が心に去来した。
あらためて、「あいざき進也」のプロフィールをチェックしてみると、1956年10月26日生まれで、身長162cmとなっている。
162cmとは、男性アイドル歌手としてはかなり小さい部類なのか。
あいざき進也は1974年にワーナー・パイオニア「気になる17才」でデビューしたとある。
1974年の2年後、1976年にモハメッド・アリVSアントニオ猪木が行われている。
「記憶の遠近感」とはなかなかにおもしろい。
わたしの中では、「あいざき進也」は遠い遠い過去、「モハメッド・アリVSアントニオ猪木」は昨日のように常に記憶が新しい。

「モハメッド・アリVSアントニオ猪木に負けてるぞ、あいざき進也!」と、肩を叩きながら叱咤激励することも決してやぶさかではないが、おっと、人生の大先輩にそんなことしちゃいけないねえ。

試しにオリコンによる1974年のヒット曲トップ20を見てみると、

1 殿さまキングス「なみだの操」
2 小坂明子「あなた」
3 中条きよし「うそ」
4 中村雅俊「ふれあい」
5 フィンガー5「恋のダイヤル6700」
6 殿さまキングス「夫婦鏡」
7 渡哲也「くちなしの花」
8 西城秀樹「激しい恋」
9 布施明「積木の部屋」
10 フィンガー5「学園天国」
11 沢田研二「追憶」
12 りりィ「私は泣いています」
13 グレープ「精霊流し」
14 アグネス・チャン「小さな恋の物語」
15 山口百恵「ひと夏の経験」
16 郷ひろみ「よろしく哀愁」
17 山本コウタローとウィークエンド「岬めぐり」
18 梓みちよ「二人でお酒を」
19 五木ひろし「夜空」
20 山口百恵「ちっぽけな感傷」

あれ、あいざき進也、入ってないじゃないか!どうしたあいざき進也、もっとやれるはずだ、あいざき進也!!

それはさて置き、こうして1974年のヒット曲を眺めていると、さすがに現在でも聴き継がれ、歌い継がれている歌が多い。
殿様キングスの宮路オサムなんて、最近でもしょっちゅうBSの番組で見かけるし。
しかしこの人、大病から復帰したそうで、ぜひ今後も頑張ってほしい。
今でもなかなか味のある歌い方をするし、声は枯れてない。
中条きよしもBSの歌番組にしょっちゅう出てますなあ。
そして小坂明子は見かけないけれど、山田姉妹がファーストアルバムで「あなた」をフィーチャーしているから、これまた「今」の感覚十分である。
梓みちよが「二人でお酒を」を、あぐらをかいて歌う姿は子ども心にインパクト抜群だった。
郷ひろみはどうして最近、「よろしく哀愁」を歌わないのかな(笑)。
あるいは「リー」とか(ふふふ)。

ところで子どもの頃、友人の女の子の家に遊びに行った時、数人の女子が目をつぶって真剣そのもので山口百恵のレコードに聴き入っていた姿を見て、(そこまで真剣に聴き込むほどのものかな)と思ったものだが、日本の女性って、人にもよるけれど、女性アイドルのファンになる人が多いですよね。
今でも女性でAKBとかの振り付けを練習している知人の若い女性とかも珍しくない。
このあたり、非常に(どうなのかな)と感じるところではある。