●夏を少しでも涼しく納涼お薦め映画~『セブン』。

末尾ルコ「映画の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

「こわい、本当にこわい、こんなにこわいことは初めてだ」・・・一言一句正確がどうかは定かではないが、デヴィッド・フィンチャー監督『セブン』日本公開時のテレビスポット宣伝コピーはこのようなものだった。
(映画館で何かが起こっている・・・観てはならないものがそこで上映されている)イメージが、わたしだけでなく、多くの日本人の中に醸成されたであろう、秀逸なテレビスポットだった。
そして超満員の映画館、オープニングでナイン・インチ・ネイルズのノイジーで歪んだスコアが響き始め、連続異常殺人者のクリエイションの上にスタッフ、キャストの名前が揺れながら現れ、消える・・・わたしはこの時点で映画館から逃げ出したくなった。