●ポポー(ポーポー)というフルーツを食べた感想などをハードボイルド風に述べつつ、「嵐に還元できる仕事しかしない」とのたまう二宮和也にあらためて呆れる。

末尾ルコ「食と文化芸能の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

ポポー(ポーポー)と書かれてある果物らしき物体が最寄りの野菜果物花などの直販店に置いてある。
数日前から気になっていたが、一個50円と格安で売っていたのでお試しに買ってみた。
アケビのようなシェイプ、緑がかった表面、そして触れるとやや柔らかい。
しかし「ポポー」とは初めて目にする名前だ、ネットで調べてみよう。
フェイクな情報も多いネットだけれど、植物などに関しては比較的正確な情報が容易に出てくる。
ポポーに関して見つかった情報を総合すると、北米原産であり、「ポーポー」とも呼ばれる。
明治時代に日本に入ってきたけれど、その後はほとんど栽培されなくなった。
かつては五大湖周辺のネイティブアメリカンによく食されていた。
ああ、なかなかいいじゃない。
そのような歴史的事実を知ると、食しながらイマジネーションが膨らんでくる。
しかし栽培自体は日本でもさほど難しいものではないとか。
店のスタッフの中年婦人に「どうやって食べるんですか」と尋ねると、「中に大きな種があるので、それを避けながらかぶりつくとか、まあ、そんなに食べ方が難しい果物じゃないですけどね」とか、しかし聴いていて、もう一つピンと来ない。
食べ方もネットで調べてみよう。
こちらの情報では、並んでいる種を避けて包丁で二つに切って、スプーンで果肉を掬いながら食べるとある。
そのやり方で朝食の一品としてみた。
切ってみるとやや熟し過ぎだろうか、ネットの写真で見るよりもねっとりとオレンジ色に近いバターのように見える。
そもそも切るまでもなく、強い果実の芳香が部屋中に漂っている。
ねとっとした果肉をスプーンで掬い食べてみると、確かに甘い。
大き目の実であっても種がいくつか並んでいて、それらがけっこう大きいので、「食べ切れない」ということもない。
酸味はまったく感じられず、甘さには素朴さが感じられるけれど、それはそれでかつてのネイティブアメリカンを偲ばせてくれて愉しい。
ビタミンCもを多く含んでいるということで、点かれたお肌に効き目がグー・・・のような気もした。

・・・・・・

ある新聞記事に二宮和也の小さなインタヴューがあり、まあ前々から呆れている彼の持論だけれど、「嵐に還元できる仕事しかしない」だそうである。
俳優としての仕事もすべて「嵐に還元できる仕事」だからしているわけだ。
よく臆面もなく、こういうことを言えるものである。
二宮和也は日本アカデミー賞主演男優賞を獲った時の、「まるで会場内にジャニーズ関係者しかいないような」スピーチが酷かったが、どうも「見えてている世界」がわたしたちとはまったく違うようである。