●台風20号が迫る夜、わたしが北枕で寝た理由~りゅうちぇるという人物はタトゥを公開する時点で、「批判殺到」は予想すべきだったのではというわたしの意見。

末尾ルコ「日常描写と社会観察で、知性と感性を鍛えるレッスン」

台風20号接近中の深夜、つまり8月23日の午前1時とか2時とか。
しかしまだ天気図上は遠くにあり、雨も風も微塵も見当たらなかったので寝室の南に面した窓を網戸にしていた。
さてリビングで寛いでいると、いきなり爆裂的な暴風雨。
その瞬間、わたしは寝室の窓を網戸にしていたことを忘れ、(ああ、急に来たなあ)などと太平楽を決め込んでいたこの馬鹿っぷり。
しばらくして寝室へ行くと、ベッドの枕がある周辺が雨により濡れてしまっているという無残を目撃することになる。
(くくく・・・台風が近づいている日には窓を開けるべきではないな)と幼稚園児でも知っている真理を心で呟いたが後の祭りである。
不幸中の幸いで、ベッドはびっしょり濡れているほどではなかったが、その部分に頭を置くわけには当然いかない。
「その部分」は南側に向いており、わたしはその夜、「北に頭を向けて寝る」決断をした。
いわゆる、「北枕」である。
(ふふふ、台風が来ている日に北枕で寝るなんざ、ハードボイルドだぜ)などと思いながら心地よく睡眠(午前3時頃だけど 笑)。
もちろん朝はすっきり起床(睡眠時間、4時間くらいだけれど。まあ仮眠を取りますから)。
(俺に演技、いや縁起なんざ、関係ないぜ)と心で独り言ちながら、マルちゃんの『街の洋食屋さん 五目ピラフ』を食す。
キュウリと梨もね。

それにしても、みやぞんとかりゅうちぇるとかはあちゅうとか・・・ほら、カギカッコ付けなきゃ訳わからないでしょう。
つまり、「みやぞん」とか「りゅうちぇる」とか「はあちゅう」とか、となるわけですが、何なんでしょう、この「ひらがな」?

この中の「りゅうちぇる」なる人物が妻と息子の名前を刻んだタトゥーを公開し、多くの批判的コメントが寄せられたことで、「こんなに偏見のある社会どうなんだろう」「仕方ないよね。ではなく、僕は変えていきたい」などと反論したとされるが、「こんな日本社会」だからこそ「りゅうちぇる」は有名人となりたい金も入ってきたはずなのだけれど。
そして著名人がタトゥを入れ、それを自慢気に公開した場合にある程度以上の批判、顰蹙があることなど分かった上での「公開」でなければ、頭が悪過ぎる。
日本では歴史的に「入れ墨=タトゥ」は罪人へ刻印するもの、そして反社会勢力の専売特許であり、「タトゥを入れている=シロウトさんではない」という意識が共有され、それは現在でも色濃く残っている。
もちろん現在多くの「シロウトさん」がタトゥを入れているのは分かるし、アート界などでは何ら問題ではないだろう。
しかし一般社会の意識は別である。
わたし自身はアートな人間であるが故、タトゥを入れている人たちに対して「基本的に」特別な感情は抱かないが、それでも「タトゥ入りシロウトさん」の中で明らかに「威嚇的な」タトゥを入れ、周囲をビビらせて「いい気」になっていると思しき人たちも見ると、(困ったものだ)と感じるし、わたしは絶対にタトゥ入れない。
まあこの件については短い文章で単純には語れないが、何でもかんでもについて「多様性」だの「表現の自由」だの「人を見かけで判断してはいけない」だの言葉を使うのは違うと思う。
少なくとも日本でタトゥを入れるのであれば、「白眼視される覚悟あり」くらいの意識を持っている方が潔い。