●WWE「公演」で初来日のロンダ・ラウジーの「ラウジー」の元祖ロディ・パイパーの有益な動画を発見~「人間のエゴが見える」プロレスとは?

末尾ルコ「プロレスの話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

WWE日本「公演」で初来日のRWA王者ロンダ・ラウジーだが、かつてUFC女子バンタム級王者だった時代、それはほとんど漫画のように非現実なまでのスター誕生ぶりだったが、防衛線の後のインタヴューで涙を流しながら語ったことがある。
それはプロレスラーのロディ・パイパーが死去したすぐ後の防衛戦であり、あれはもう2015年のことになるのか。
ロディ・パイパーは61歳で亡くなっており、ロンダ・ラウジーは子どもの頃から大ファンだったという。
ロンダ・ラウジーのMMA時代からのニックネーム「ラウディ (Rowdy)」はもともとパイパーのニックネームであり、ラウジーはこれを使用するために直接パイパーに許可を得たという。
ロディ・パイパーというプロレスラーの名はよく知っていたが、あまり印象には残っていなかった。
来日も何度かしているけれど、その時の試合を観たかどうかも定かではない。
いつしかプロレス誌に、タータンチェックを着用してバグパイプを持ってリングに上がるロディ・パイパーの写真が載るようになったが、まだわたしは企業的にプロレスラーをキャラクター化し、入念に設定やストーリーを作り込むプロレスに明るくなかったので、(何をやってるんだろう)としか思わなかった。

などと考えつつロディ・パイパーで検索したら次の動画が我が目前に!

「ロディ・パイパー/ディック・スレーター vs. 阿修羅原/マイティ井上 1983」(https://www.youtube.com/watch?v=XKpIRhngkYw

12分程度の動画で、(どうしようかなあ~)と2分ほど迷った挙句、視聴決定。
そうなると、「迷った2分程度」って、すごく無駄になってしまった気もするが、「迷う時間」も人生の中で貴重なんだな。
とは言え、「いつも迷っている」というのも何だしと、とつおいつする時間もまた哲学的。
いやしかし、「ロディ・パイパー/ディック・スレーター vs. 阿修羅原/マイティ井上 1983」、観ただけのことはありました。
ノンタイトルのよくある試合なのだけれど、近い将来行われるタイトルマッチへのフリでもある試合。
ロディ・パイパーは体幹のしっかりしたナチュラルな体つきで、顔立ちは端正。
これだけ端正な顔立ちの一流レスラーはそうそういないのではないだろうか。
もちろん体のどこにもこけおどしのタトゥなどない。
試合展開もオーソドックスで、言ってしまえばそれぞれのレスラーがワンパターンの動きをしているだけなのだけれど、それでもプロレスが「システマティックな流れ」の中で行われているWWEや新日本の試合を観慣れた今だからこそ新鮮な「人間」が見えてくる。
段取りはある程度以上決まっていても、それぞれのレスラーの「エゴ」が感じられる。
やはり、「人間中心」なのですよ。