●9月9日、全米オープンテニス女子決勝、セレナ・ウィリアムズの大爆発、ラケット破壊などはどうなのか?あるいは大坂なおみに「国民栄誉賞」は必要ないか?

末尾ルコ「テニスの話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

9月9日、朝5時前に起床。
と言うか、その前にわたしが寝たのが午前4時くらい。
まあいろいろあるんです。
つまり睡眠時間が1時間くらい。
そう、全米オープンテニス女子決勝をWOWOWで観るために無理なスケジュールにしたんですな。
それなのに、ああそれなのに、それなのに・・・。
雨なのである、しかも予想を遥かに上回る豪雨なのである。
オープニングセレモニーまでは受信できたが、試合が始まる直前に画面は「受信できません」表示ばかりになる。
これでテレビだけなら大変なことになっていた。
まさに世界スポーツの歴史的一戦・・・生中継を観戦できるはずなのに、「雨のためにできなかった」ということになる。
幸いと言うべきか何と言うべきか、WOWOWにはメンバーズ・オン・デマンドがあるからPCでは観戦できました。
でもテニスや格闘技など、テレビで観戦した方が迫力があるのは当然である。

大坂なおみのグランド・スラム初制覇については、9月10日はさすがに「朝から晩まで大坂なおみ」だった。
けれどそれでも「遅い」んです。
少なくとも準決勝進出からは「朝から晩まで」にするべきだった。
もちろんこの度は、台風21号、そして北海道を襲った地震があったので、その点は理解できるけれど、それでもしっかり「女子体操スキャンダル」は時間を取ってやっていたぞ。

大坂なおみに「国民栄誉賞」とかいう声もあるが、そんな意味不明の賞など問題外のワールドワイドなバリューを持つ「グランド・スラム優勝者」に対して(与えよう)なんて気を起こしてほしくない。
はっきり言って、今まで「国民栄誉賞」を授賞してきたスポーツ選手たちと比較しても、桁外れの快挙なのだ。
わたしの正直な気持ちとしては、もちろん他のスポーツを貶めるつもりはないが、今回の大坂の快挙は現在まで日本人スポーツ選手が築いてきた多くの素晴らしい成果を遥かに超える超絶的なバリューを持っているということ。
まあこの点については繰り返しお話していきたいが、決勝戦のセレナ・ウィリアムズのマナーについて触れておこう。
審判に対して激昂するセレナ・ウィリアムズの映像も大坂なおみの快挙と合わせてこの9月10日は繰り返し放送され、こうなるとテニスについて何も知らない人間たちまでがやいのやいの罵詈雑言を書き込んだりするわけだけれど、「あの映像」だけ見てセレナを全否定するような考えはいただけない。
セレナ・ウィリアムズがテニス新時代を創り上げてきたあまりに偉大なプレイヤーだということは誰しも否定できるはずがなく(歴代すぺての女子スポーツ選手の中で最も偉大だという意見も多い)、黒人たち、黒人女性たちにどれだけ勇気を与えてきたかは計り知れない。
その点についてセレナを、「米国リベラルのお気に入り」と位置付ける「事情通」も多いが、そうした点はあるにせよ、しかし「そうした点」を超えて、「黒人に力を与え続けている」のは間違いないだろう。
「今回のセレナのマナーは悪かった・観客のマナーも悪かった」は事実であるけれど、これを持って、「セレナ全否定・米国人全否定」とならないのは当然のことだ。

にしても、大坂なおみのマナーの素晴らしさは、「優雅」とさえ言えるものだった。

ところでここからは、「個人の趣味」のお話として読んでいただきたいが、わたし自身はテニス観戦中に、「ラケット破壊」「猛烈抗議」・・・ぜんぜんOKである。
ま、プロレスを観て育った影響もあるだおろうし、ジョン・マッケンローの全盛期も観ているので、あの暴れっぷりのワクワク感は忘れられないというのもある。