●大坂なおみの日本にとって空前の快挙を受け止めきれてない日本人~あらためて「国民栄誉賞」は必要ないと主張~そして現時点で、「小坂なおみのモノマネ」に反対。

末尾ルコ「テニスと日本社会の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

大坂なおみに対する日本人の反応は、「グランド・スラム優勝」のとてつもない凄さや、なおみ自身のちょっと奇跡的なまでの人柄が浸透するにつれて好意的なものが大部分を占めてきた感がある。
今回の大坂なおみの全米オープンテニス優勝は、一般日本人の意識に革命的変革をもたらす可能性があり、今後の動向にはさらに注目し続け、わたしなりの見解も折に触れ発信していきたい。
折しも日本スポーツ界の愚劣さばかり目立つ2018年に、「真の世界的ビッグニュース」となった大坂なおみの全米オープンテニス優勝が起こった意義は極めて大きい。

何度でも書くけれど、これは「日本スポーツ史上空前の世界的ビッグニュース」である。

だからこそ、意味不明の「国民栄誉賞」の対象などにしてほしくないわけだが。

そして日本では今までテニスについて語っているのを聞いたことも見たこともない著名人が便乗して何か語ろうとしているが、まあこういうのはよく起こりますな。
さすがに大坂なおみに対して、「識者」「著名人」からは「絶賛」の声しか見当たらないが、「小坂なおみ」や「アモーレ橋本」らのモノマネ芸人の芸はいかがなものかと懸念してしまう。
モノマネ芸はどうしても、対象の特徴を極度にカリカチュアしなければ笑いを取れないものであり、真似された人間からすれば内心は愉快でないケースも多々あるだろう。
さらに大坂なおみの場合、国籍や人種問題でとてもセンシティヴな立場にいるわけで、ドメスティックな感覚でモノマネ芸にするべきではないと思う。
こんなことを主張すると昨今は、「そんなこと言って、大坂なおみを特別視することこそ差別意識だ!」なんて逆バリ主張でドヤ顔の人間が出てくるわけだが、それはまったく違う。
風刺などを志すのであればまた別だが、少なくとも「愉しい笑い」を生もうとするのであれば、「マネされる相手」の心情に対してできる限りの配慮をすべきだろう。
「小坂なおみ」の2つの動画を次に挙げておくが、はっきり言って、わたしはこういうのはやっていただきたくない。

小坂なおみが大坂なおみのモノマネ(https://www.youtube.com/watch?v=2MInDIbwN5c

モノマネ芸人・小坂なおみ「公認カモン!」大坂なおみの偉業に乗っかる(https://www.youtube.com/watch?v=UlUhoYGlKB0

小坂なおみはおそらく自分のモノマネについて、「大坂なおみに対する愛情をリスペクトを持って」などと主張しているのだろうけれど、このモノマネに「愛情やリスペクト」の繁栄を感じることができるだろうか。
もっと言えば、本当に大坂なおみに対しての深い「愛情とリスペクト」を持とうというのであれば、「大坂なおみ自身と、テニス」に対する深い理解は必須だと思うが、小坂なおみにそれがあるとはとても思えない。
わたしが恐れるのは日本のバラエティ番組か何かで大坂なおみが出演してるところに小坂なおみも出てきて、そのモノマネに対して同町圧力により「笑わねばならない」といった状況なのだ。