●夢か現か~パトカーに捕まったわたしは?あるいは朝から「電力自由化センター」と称する自動音声の電話は・・・。あるいは、「太坂なおみ」とか、いりませんから。

末尾ルコ「日常描写と社会問題の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

赤ランプが回った。
一瞬、何が起こったか分からないかった。
次の瞬間、パトカーだと分かった。
(しまった!)
反則金を取られる。1万なにがしを払わねばならないのか。今月の予算の中で今、そんな金額が出てしまったら、来月半ばまでかなり苦しくなってしまう。
どう削っても、「ないものはない」という状況も予想される。
パトカーの中から警官が出てきた。
あばた面で小柄な固太りのいかつい中年だ。
何とかこの違反をなかったことにできないか。
できるはずがない。
しかしこのまま何もせず違反金を受け入れるなどしたくない。
「ねえ、お巡りさん」
わたしはやや卑屈な笑いを浮かべながら、丸く太い鼻の警官に近づいた。

(あ、夢か!)
そう、数日前にこんな夢を見たのです。
起きた時の(ほっ・・・)とする安堵感を味わうために悪夢は歓迎なのか?
甘美な夢を見て目が覚めた時の空虚感と比べたら。
しかし交通違反金ごときが悪夢とはいかにもせこいわたしではある。

朝から固定電話が鳴る。
これは夢ではない。
電話の音で眠りから覚めるシーンはロバート・デ・ニーロだ。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』だ。
しかしわたしは起きていた。
固定電話にはロクな電話がかかってこない。
ほとんどは営業の電話だ。
たまに「日本年金機構の委託を受けた~」からかかってくる。
いずれにしても、ロクでもない。
その日、9月某日はいきなり自動音声だ。
その電話は、「電力自由化センター」と名乗る。
わたしの家庭は四国電力の管轄で、既に「四国電力からご家庭へ勧誘などのお電話をかけることはありません」という話を聞いている。
以前にはたまに、「四国電力の~の」と、枕詞に「四国電力」を持ってきて誤魔化そうとする詐欺電話がかかることがあった。
自動音声なんぞ10秒で切り、「電力自由化センター」を検索してみる。
案の定、「詐欺電話である」旨の情報多数。
不審な電話や、あるいはネットで不審な広告が出た場合、まず「検索チェック」をかけてみると、多くの場合有益な情報が出てくる。
電話番号が残っておれば、それを入力するだけでも、多くの情報が出てくる。
特に「よくある詐欺」であれば、検索1ページ目にずらりとその情報が並ぶ。
もちろん『消費生活センター』に問い合わせるのもいい。
詐欺が蔓延るのは、「詐欺にひっかかる人が多くいる」という単純構造がある。
詐欺師たちがいかに手を変え品を変えて来たところで、「怪しいものには絶対に乗らない」という基本姿勢を確固としておれば、そうそう騙されるものでないはずだ。


小坂なおみに続き、「太坂なおみ」とかいう男が大坂なおみの「モノマネのつもり」で注目を浴びようとしているが、おもしろくも何もない。
「太坂なおみ」に至っては、「小汚いだけ」というレベルである。
できればさっさとお止めいただきたいが。