●9月に来日公演をしたばかりのシャルル・アズナブールが94歳で死去~高知の図書館『オーテピア』初体験記・・・すごく延滞したの巻。

末尾ルコ「音楽と図書館の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

フランスの偉大な歌手 シャルル・アズナブールが94歳で死去した。
「94歳」という年齢を長いとか短いとか、わたしはそのような決めつけは好きではないから言わないが、この9月に日本公演を行っていたことは驚異を持って語られるべきだろう。
「94歳」で「フランスから来日」して複数回のコンサート・・・超人的である。
それだけに、10月に入ったばかりの、つまり日本公演からひと月も経たない内の死去という事実に愕然とする。
わたしは必ずしもアズナブールの熱心なリスナーではないのだけれど、やはり彼やイヴ・モンタンのフランスシャンソンオールドスタイルの歌い方はややもたれるのですね、けれどその偉大さは理解していたと思う。
そうですね、だからアズナブールには、「100歳を超えても歌い続ける」という更なる怪物ぶりを見せていただきたかったのだが。
本当に残念だ。
ご冥福を。

・・・

9月25日に『オーテピア』へ初めて行ったのである。
『オーテピア』とは、高知県立図書館と高知市民図書館が合併した複合文化施設で、「追手筋」の「オーテ」に「仲間」という意味の「peer」を合わせた造語なのだが、「ピア」が付く施設ってやたらと多いよね。
『オーテピア』と高知県立図書館や高知市民図書館尾違いはその大きさであって、まあ『オーテピア』は大きくて、5階にはプラネタリウムなどもあって、「家族連れでたのしめる」とか、そんなコンセプトの施設なのである。
7月にオープンしたのだが、わたしがなぜ9月25日まで、8月一週目に返却すべき14冊があったにもかかわらず行かなかったかといえば、一つは「オープン時の混雑」を避けるためだった。
さらにこの夏、あまりに暑過ぎて、(重い本を持って外出なんかできるか、おりゃあ~!)というすこぶる身勝手な理由もあった。
フミ斎藤のアメリカン・プロレス本とか、すごく厚くて重いんです。
アメリカン・プロレスもやっぱりこう、ハルク・ホーガンくらいまではどうにか入ってくるけれど、その後、ジ・アンダーテイカーとかストーンコールドとか、わたしの好きなプロレスとあまりにかけ離れてしまっているのですわ。
そして『オーテピア』への足が重かった大きな理由の一つが、「借りていた本の中の一冊が見つからない!」というヤツだ。
ずうっと見つからなかったら、自分で買って弁済しなければならないし。
いや、「1200円」の短歌の本で、いくら金欠病のわたしでもそのくらい出せないわけではないけれど、「絶対家の中のどこかにある!」はずなのに、「1200円」出したくないっす。
しかしそうは言っても見つからず、遂に『オーテピア』初体験を決意したという次第。
(つづく)