●末尾ルコ 『オーテピア』初体験記 その2「駐車場」など~門馬忠雄『外国人レスラー最強列伝』、ブルーノ・サンマルチノはかつらだった?

末尾ルコ「図書館とプロレスの話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

高知の複合文化施設、つまり高知県立図書館と高知市民図書館を合併させて、さらにプラネタリウムなども併設し、「利用者がっぽり」という魂胆の『オーテピア』初体験記の続編である。
9月のその日、初めて『オーテピア』に足を運ぶにあたって、わたしには大きく2つの問題があった。
・ひと月半以上の延滞
・一冊どうしても見当たらない
で、いささか気分は重く、しかも借りていた13冊の多くが単行本で物理的にも重く、気分がのらないのは否めない。
そして駐車場がどうなっているのか、込み合わないで入れるのかも懸念材料だ。
わたし、「待つ」の嫌いなんです。

そしてわたしは追手筋の道路から左折で『オーテピア』の駐車場へ入っていったのだが、正面に係員がいて、ストップをかけられる。
眼鏡をかけたやや小太り気味の係員が車へ近づいてきて、(つづく)


で、この時に借りたのが、新書を16冊。
新書なら多くても重くないもんね。
そのうちの一冊が、門馬忠雄の『外国人レスラー最強列伝』であり、この本の中で取り上げられているプロレスラーが、
ルー・テーズ
カール・ゴッチ
フレッド・ブラッシー
ボボ・ブラジル
フリッツ・フォン・エリック
ディック・ザ・ブルーザー・アフィルス
ジン・キニスキー
ブルーノ・サンマルチノ
ディック・マードック
ウィレム・ルスカ
ビル・ロビンソン
ジプシー・ジョー
大木金太郎

オーソドックスな『プロレス入門』的書籍で取り上げられるビッグネームの中に、ウィレム・ルスカ、ジプシー・ジョー、大木金太郎が入っているのが少し独自色を出したところか。
まあ、門馬忠雄の書くものに大胆な切り口や赤裸々な描写を最初から望んではならない。
あくまで「広い心で、プロレスの愉しさをしばし味わう」ものとして位置付ければよいだろう。
『外国人レスラー最強列伝』でわたしが印象に残った内容は例えば、

「髪が薄くなってきてからのサンマルチノはかつらで試合してた」とか。
マスクマンがいるのだから、かつらして試合も可能なのだろうか。
しかし試合中のとれてしまったら、まったくのコントですなあ。
コミック系のレスラーならそれでいいかもしれないけれど、NYのヒーローサンマルチノのかつらが試合中に外れたらまずいでしょう。

(なるほど)とやや嬉しくなったのは、

「ディック・ザ・ブルーザーはジャケット姿がお洒落だった」というエピソード。
「お洒落」と言ってもそれは「流行を着る」とかいうのではなくて、ちょっとマフィア映画の登場人物っぽい雰囲気を漂わせる男臭い「お洒落」を想像する。
こういうのってナチュラルなブルーザーだからこそで、昨今の「作られたキャラクター」のレスラーたちには無理だと思うのですな。