●「言葉の使い方」・・・田中圭と白石麻衣は「今年の顔」でなく、「ヒット人」と呼ぼう~本当か?「男の化粧」がブームとか??

末尾ルコ「社会観察で、知性と感性を鍛えるレッスン」

昨夜の記事で取り上げたのだが、そう、テレビなどで田中圭と白石麻衣を「今年の顔」として伝えていた件。
そもそも『日経トレンディ』上では、「2018年のヒット人(にん)」という呼称が基本のようであるというのに、わざわざ「今年の顔」と言い換えているのは、談合によるものか、テレビなどメディアが勝手にやっているのかは知らないが、この場合は「ヒット人」でいいではないか。
「今年の顔」と言うから話がおかしくなる。
2018年の日本の「今年の顔」が田中圭と白石麻衣ではあまりに寂しいでしょう。
で、『日経トレンディ』のサイトで一応確認したら、確かに「18年のヒット人は田中圭と白石麻衣」と書いてある。
「ヒット人」といういかにも軽めの呼称であれば、白石麻衣だのトリンドル玲奈だのクマムシだの藤田ニコルだのでも話は分かるのである。
だいたい、ブルーリボン賞とか、キネマ旬報ベストテンとか、まあ日本アカデミー賞もそうだけれど、国内にある映画賞の結果よりも、「ヒット人」なんていう意味不明の賞(?)の方がテレビなどでは扱われることが多いのも今の日本のダメなところ。


ふと思い出したのだが、少し前にNHK『おはよう日本』で、「男性の化粧がブームになりつつある」とかいうネタがあったのだが、そのような事実は存在するのだろうか。
確かにメーカー側には新商機を狙ってそのような動きはあるようだ。
「ポーラ・オルビスホールディングス」は次のような男性向けブランドをスタートさせている。

男性向けコスメの総合ブランド「FIVEISM×THREE」誕生
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO34720180Z20C18A8000000?channel=DF260920172950


男性が化粧するというのは日本もそうだし、歴史的に見れば多くの国で普通に行われていた、あるいはいることなので、それはそれでいいと思うけれど、「ブーム」とか言われ、(じゃ、俺もやってみよう)というノリで始めたり、同調圧力によって、「化粧しなけりゃ、男じゃない」的な雰囲気が醸成されては困るなあとも思う。
まあそれと、日本やヨーロッパでも、歴史的に「男の化粧」は概ね貴族階級のものであって、庶民の男は普通はしなかっただろう。
もちろんこの度取り沙汰されている「男の化粧」なるものは、今のところあくまで「身だしなみ」の一つとして考えられているようで、かつての日本の公家とか、あるいは初期のデヴィッド・ボウイのようなメイクというわけではない。
男性が化粧する動機の一つとして、「面接のため」とか「仕事で好印象を持たれたいため」というのが有力なようだが、それならば別にメーカーのコスメに頼らなくとも、自分が常日頃身だしなみに細心の配慮をしていたらいいだけのことでは。
ま、「ブーム」とかいう報道に煽られてムダ金使う人間はいつでも大量に存在するものではあるけれど。