●永遠のテーマ、ジャイアント馬場VSアントニオ猪木、その「強さ」と「プロレスラーとしてのクオリティ」を、今こそ客観的に比較する~また出た、噴飯物の「メイウェザー・天心」感想は原辰徳だ!

末尾ルコ「プロレスと格闘技の話題で、知性と感性を鍛えるレッスン」

フロイド・メイウェザーと那須川天心の「試合」について、「知りもしないで口出しをしてくる」高須院長やフィフィについては既に書いたが、それよりまだ酷いのが、しかも「試合」後ずっと遅れて口出してきた。
それが「栄光の巨人軍」の名将原辰徳監督だ。
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【巨人】原監督、那須川天心を絶賛「こういうのが大和魂」https://www.hochi.co.jp/giants/20190109-OHT1T50170.html

どう考えてもこの名将、あの「試合」の周辺情報など何一つ知らずに発言しているように見えるが、あの「内容」が脳内で「天晴れな大和魂」に変換されるのが不気味だ。
米国を中心に海外ではあの「試合」は概ね、「メイウェザーがアジアの子どもを泣かせて、割のよいバイトをした」とネタ化している。

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さて唐突だが、ここでジャイアント馬場とアントニオ猪木の全盛期について、両者のクオリティ比較の、現段階でのわたしの結論を簡単に記しておこう。

「リアルな強さ」
馬場に軍配。
繰り返すが、あくまで両者の全盛期の比較である。
全盛期の馬場に日本人レスラーとして対抗できるとすれば、全盛期のジャンボ鶴田か坂口征二だろう。
決して猪木ではないと思う。

要するに、猪木の体格と格闘家としてのバックボーンでは、試合開始後すぐに馬場を寝かせることは極めて難しい。
グラウンドへ持っていかねば猪木に勝ち目はなく、強力な馬場の打撃を喰って、力道山戦の木村政彦のようになる可能性が高いのではないか。

「プロレスラーとしてのクオリティ」

猪木に今のプロレスラーたちが束になっても敵わない、とてつもないカリスマがあったことは、猪木ファンだったわたしも十分理解している。
が、それさえも遥かに上回るのが、馬場のクオリティだ。
猪木のプロレスは、「日本」という文脈でこそ最大限に発揮されるけれど、特に本場とされるアメリカマット界では、よく言って、「上の下」くらいのポジションしか得られなかっただろう。
猪木程度の体格は米国にはごろごろいるし、同じ身長の米国人レスラーと比べると、猪木の体には厚みがない。
さらに、米国人ファンいウケるようなムーヴもできない。
時にメインイベントも任されるくらいにはなれたかもしれないが、決して「スターレスラー」にはならなかっただろう。

対して馬場は、国籍も地域も時代も超越している。
米マットはもちろん、「東洋の巨人が来る」というだけで、プロレスというジャンルが存在する場所であればどこでも観客が殺到するだろう。
それは現在のWWEでも同じことで、全盛期の馬場であれば、間違いなくトップ中のトップスターになる。