●高知県を牛耳る(笑)『高知新聞』の昨今の部数やシェア、そして〈「声ひろば」投稿講座〉なる珍奇な「講座」について。

末尾ルコ「社会観察で、知性と感性を磨くレッスン」

『高知新聞』は言うまでもなく高知県地元のローカル紙で、県内のシェアは圧倒的である・・・とされているが、さて現在はどのくらいのものなのかと「高知新聞営業局」の「新聞広告ガイド」のサイトをを調べてみた。
 ↓
https://www.kochinews.co.jp/ad/market_top.htm

底に掲載されているデータを引用させていただくと、

■高知新聞の発行部数 2017年6月現在

高知新聞朝刊 173,872部
高知新聞夕刊 110,539部
朝夕刊セット率(高知県内) 63.57%
朝夕刊セット率(高知市内) 99.08%

■高知新聞の占有率(シェア) 2017年6月現在

高知新聞 173,872部 86.89%
A紙 6,556部 3.28%
B紙 8,833部 4.41%
C紙 1,056部 0.53%
D紙 7,380部 3.69%
E紙 2,404部 1.20%
県内他紙計 26,229部 13.11%
県内総部数 200,101部 100.00%

(「高知新聞営業局」の「新聞広告ガイド」より)

はい。
シェア86.89%なのですね、いまだに。

今回は「過去のデータ」を探してないので比較はできないが、人口減+新聞(紙媒体)離れで部数が減っていることは間違いないだろうが、だからと言って、「高知新聞から全国紙へ」という流れが起きるわけもなく、つまり「高知県では昔から全国紙はほとんど読まれてない」と言えるわけだ。
ちなみに『高知新聞』にも全国ニュースや海外のニュースは掲載されているが、それらはいわゆる「左」の『東京新聞』と同様のもので、高知新聞社の記者たちが取材し、書いているのは原則県内関連の記事だけである。

この『高知新聞』に関しては昔からいろいろ言いたいことはあるのだが、もちろん「何もかも悪い」と主張しているのではありません。
しかし新聞の影響力が大きかった時代に『高知新聞』が高知県民に与えてきた影響はもちろん絶大で、そうした歴史についても適宜検証していきたいと思っている。

などという話題を今回始めたのは、『高知新聞』紙上で、

〈「声ひろば」投稿講座〉

なる講座の募集を行ってる広告を見かけたことがきっかけだ。

「声ひろば」というのは要するに『高知新聞』の読者投稿ページなのだが、その「投稿講座」を『高知新聞』がやるというのは、ちと不思議だ。
と言いますか、その意図は明らかで、退潮を続ける『高知新聞』のバリューをなるべく保ちたいこと、そして「声ひろば」欄に掲載されることが、「いかにも何らかの価値があるように見せかけたい」ということなどが絡み合っているのだろう。

地方新聞の投書欄に掲載されることに、「まったく価値がない」とまでは言わないけれど、しかし「講座」を受けてまで・・・というのは違うと思いますな。
そして当然ながら、「受講者」が優先的に掲載されるという事態も予想されるし、そうなると投稿の公平性は大きく失われる。
もちろん最初から公平性など存在しないのかもしれないが。

まあですね、新聞の投書欄への投稿をたのしみにしている人たちも、ご高齢の方々中心に少なからずいらっしゃるわけで、妙な形に変質させるのはいかがなものかと思うわけです。