●全豪オープン優勝の大坂なおみが語る「インナーピース」を、わたしが実践した1月の午前3時くらい。

末尾ルコ「テニス、そして心と精神を語り、知性と感性を磨くレッスン」

全豪オープンテニス女子決勝。
第2セットでトリプルのマッチポイントを握った大坂なおみだが、ペトラ・クビトバの反撃を食らい、セットを落としてします。
流れは明らかにクビトバへと移り、第2セット終盤は、大坂なおみは「何をやっても上手くいかない」状態に陥り、叫ぶ、泣くと、1年以上前の「悪いパターンのなおみ」が復活したかのようだった。
が、第3セットの前、トイレットブレークでコートを後にし、再登場した時の大坂なおみの表情はまったく変わっていた。
この決勝戦はNHK地上波で放送され、30%以上の視聴率、瞬間最高視聴率は40%ちかくを獲得しただけに、多くの日本人に共有され、語られ、今後も語られ続けていくだろ。

第2セット終盤で取り乱した大坂なおみは第3セット、ほとんど無表情でプレーを始め、多少のガッツポーズは出したけれど、喜怒哀楽は勝利を収めるまでほとんど見せなかった。

大坂なおみの言葉で特にこの全豪オープン期間中によく取り上げられたのが、

「インナーピース」である。

「インナーピース」・・・いろいろな訳が考えられるが、そして大坂なおみの英語が『朝日新聞』で誤訳されたことも大きな話題になっていたけれど、ここはシンプルに

「内面の平静」としておこう。

「内面の平静」は、いかなる分野でも目指すべき境地の一つとして挙げられるし、大坂なおみも「禅」という言葉に言及しているようだ。
今回わたしの目を引いた彼女の言葉は、

「怒りや喜びなどを表に出すことで余計なエネルギーを使いたくないと思った」

という意味の談話だ。
必ずしも大坂なおみの談話そのままではないけれど、意味としてはこれでいいと思う。

ふ~む。
で、これは確かにテニス選手でなくても人生の中に応用できますね。
例えばこの前の夜、PCで作業をしながら、まあ合間にいろんな出来事の「ネットの声」などをチェックするのですね。
当然ながら、(こいつ、どうしようもない)というレベルの汚物的書き込みをしょっちゅう目にします。
もちろん、「人間観察」の一環のつもりでやっているのだけれど、あまりに酷い書き込みを見たら、我が内部の怒りインジケーターが急上昇してしまう。
深夜(早朝?)の2時、3時に怒りを沸騰させていては精神衛生上よくないし、精神は身体コンディションにも大いに影響を与えている。
でもわたし、もともとカッと来やすいタイプなのですな、近年はましになっているけれど。
で、この前のお話だが、例によって汚物的コメントを見かけ、(グワッ)と怒りが沸騰しかかった刹那、大坂なおみの「インナーピース」のエピソードを思い出したのです。
(あ、こんな時間に怒って無駄なエネルギーを使う意味などない)・・・という感じで。

ただ、時に「怒り」は大きなエネルギーを生み出し、大きな達成を生むことも事実なので、わたしは悟りを開いた仙人のようになるつもりはないですが。

「心・精神のお話」・・・どんどんやっていきますよ。