●「大黒食品の『酸辣湯麺(スーラータンメン)』を食べた」というネタだけで、しかも写真もなしで(笑)、1200字近くの記事にしてアップする夜があってもいい。

末尾ルコ「食の話題で、知性と感性を磨くレッスン」

アイスについて何か補足しようと思っていたのだけれど、何を補足しようとしていたか思い出せない。
その補足が実はわたしの創作の重要なヒントになっていた可能性もあるのだが、そんなこと言ってたらキリがない。

3月8日の朝、わたしはカップ麺として発売されている『酸辣湯麺(スーラータンメン)』を食べた。
いつものごとく、カップ麺売り場で少々迷った後、(時には冒険してみよう)と、買えばまず美味しさを保証されている日清『カップヌードル』や『カレーヌードル』、あるいは徳島製粉の『欽ちゃんヌードル』、はたまたマルちゃんの『赤いきつね』や『緑のたぬき』を差し置いて、『酸辣湯麺(スーラータンメン)』とやらを選んだのである。
パッケージには「DAIKOKU」と記されているが、どうやら「大黒食品」という会社が出している商品のようだ。

『酸辣湯麺(スーラータンメン)』は、「酸」という文字が含まれていることから分かるように、「すっぱい」をセールスポイントにしている。
どのくらい「すっぱい」のだろう。
「すっぱい」ものが苦手だという自覚はないが、食べる機会もそう多くはない。
でもレモンを丸かじりなんてことはわたしには不可能だ。
もちろん『酸辣湯麺(スーラータンメン)』がそんなにすっぱいとも思わない。

などととつおいつしながら、熱湯を入れて待つこと3分。
『酸辣湯麺(スーラータンメン)』の傍らにはみかんとトースト。
みかんは高知産の「山北みかん」だ。
その朝のトーストにはとろけるチーズとママレード。
いずれも足を運んだスーパーでもっとも安いとろけるチーズとママレードである。
当然わたしはお味の気になる『酸辣湯麺(スーラータンメン)』のスープと麺をまずすする。
確かにすっぱい。
しかしレモンをかじった時の、(くう~~)というすっぱさには程遠い。
ま、レモンと同じくらいすっぱいカップ麺じゃ売れないよね。
いや、案外そういうのがウケたりする世の中なのか?
まあそれはいい。
『酸辣湯麺(スーラータンメン)』の特徴は、すっぱさと辛さが混交していることである。
辛さも決して強烈ではない。
ところがわたしは思案してしまう。
(これは美味しいのか?そうでもないのか?)
確実なことは、決して「不味い」はない。
そしてもう一つ確実なことは、「すごく美味しい」という感じでもない。
すっぱさと辛さが引き立っているので、「普通のお味」とも言えない。
敢えて表現するのであれば、

「普通より少し上のちょっと変わったお味」

というところか。
ただ、麺と一緒に食べるのならいいけれど、スープだけではすっぱいし辛いし、ちょっと飲めないなあ・・・ということで、スープはほとんど残してしまったのである。
こんな時つい、(ああ、『カップヌードル』にしていれば・・・)と思ったりもするのだが、人生の中で『酸辣湯麺(スーラータンメン)』を味わい、やや当惑した、そんな時間があってもいい。