●我が母、心臓バイパス手術後9日目、車椅子から転倒(大事には至らず)~院内事故をどう防ぐかという課題。~『ももいろフォーク村』を観ながら、「カナダからの手紙」は、なぜ「カナダ」なのか、と。

末尾ルコ「母の話、音楽の話題」

3月26日(火)
手術後9日目

そろそろ面会に行こうと準備が整いつつあった午後1時30分、ガラケーに着信が入る。
表示は「高知赤十字病院」とある。
(何かが起こったのか)、心理的緊迫度が急上昇する。
「高知赤十字病院看護士の~と申します。~様の息子さんのお電話でいらっしゃいますでしょうか」「はい、お世話になっております」「実はお母様なのですけど、ちょっと転倒してしまいまして」「え?」「それがですね、お食事をしていただいて、車椅子へ乗ってちょっとテレビを見ていただいていたんですが、スタッフが少し目を離した間に立とうとした世うで、その時に転んでしまったようです。まあ、特に怪我をしたとか、どこか痛んでいる様子はありませんが、ご報告までにお電話させていただきました」「あー、そうなんですか。頭を打ったりとか、怪我をしたりとかはないのですね」「それはないようです」「分かりました。わたしも今から向かうところですので。すぐ参ります」

ああ、こういうことが起こるのだ。
母は手術前、二度に渡って点滴などのチューブを夜中に引き抜いてしまっている。
病院側もそうしたことを分かった上で管理しているはずなのだけれど、ICUでなければ24時間付きっ切りというわけにはいかないから隙が生じる。
もちろん、命に関わる心臓の発作を起こし、6時間半に渡る大手術を乗り越え、そしてそうでなくても入院中は多くの患者が「せん妄」状態になる点は入院時に指摘されているから、母を責めるわけにはいかない。

母の部屋へ到着。
確かに何事もなかったようにベッドに横たわっていて、すぐにわたしに気が付いて。
この日から食事も出て、すべて平らげたと看護士から聴いた。

・・・

フジテレビNEXTの『坂崎幸之助のももいろフォーク村』は、アルフィーの坂崎幸之助とももいろクローバーZの4人が、日本のフォークを中心に様々な楽曲を取り上げて、生歌生演奏で披露するとてもクオリティの高い番組で、録画して何度も愉しんでいる。
同番組で「カナダからの手紙」が取り上げられ、ももクロの佐々木彩夏(あーりん)と坂崎幸之助がデュエットしたことがあるのだが、最近またぼうっと観ながら、(そういえばどうして「カナダ」なのか)、と。
まあ歌詞を考えてみれば、失恋した女性がたまたまカナダへの一人旅を選んだと素直に解釈すればいいのだろうが、メジャーなヒット曲とするための計算も大いに働いているはずであり、当時の日本人が外国について、そして「カナダ」についてどんなイメージを持っていたかを考える上でも興味深い。
作詞は橋本淳となっているが、当然ながら(「カナダ」ならウケる)というプランがあったわけだ。
まあ確かに、

「ソ連からの手紙」
「キューバからの手紙」
「アメリカからの手紙」
「フランスからの手紙」
「スペインからの手紙」
「モロッコからの手紙」
「チャイナからの手紙」
「コンゴからの手紙」とか、

いろいろ検討してみると、カナダあたりが無難な線であったのは理解できるが。