●我が母、心臓バイパス手術後闘病記81日目~「やることがない」入院生活では認知能力が落ちてくる危険性は極めて高い、この状況の改善方法は?~チンジャオロース丼の筍。

末尾ルコ「母の話、健康医療の話題、食の話題」


6月8日(土)手術後81日目
転院46日目

(昨日の続きのチンジャオロース丼のお話)

で、スーパーで買った件のチンジャオロース丼だけれど、かなり美味しかったのだが、食べていてふと思ったのが、(入っている野菜って、筍とピーマンか・・・)ということであり、少なくとも器の中の可視的野菜はこの2種類だった。
さらにわたしは、(緑黄色野菜であるピーマンの高い栄養価はよく分かっているけれど、そう言えば筍は・・・)と疑問にぶつかったのですぐに調べてみた。
筍はまあだいたいビタミンなどはあまりないけれど、食物繊維やカリウムが豊富に含まれていると、ほぼ即座に疑問は解消したのである。

・・・

6月7日の午後、この日は朝からかなりの雨が降っていたので病院からの(わたしの)外出を、通常は3度のところを、朝と晩の2度にした。
雨の中を何度も歩いたりしたら、その都度着替えたりせねばならず、前も書いたけれど、靴の中が濡れるのがとても嫌なのである。
そうしたわけで、朝8時から午後8時くらいまでの長時間をぶっ続けで病室で過ごした。
そこでより認識を強くしたのが、

「高齢者が一人で長期入院、長期ベッド上安静状態でいると、確かに認知能力がどんどん落ちる危険性があるな」

ということである。
そんなこと医学界では当然の常識だということは分かっているけれど、この度わたしが実感として理解できたという次第である。
「理屈として理解できる」のと「実感を持って理解できる」のとでは大きな隔たりがある。

で、どのような状況を知って理解できたかというと、

特に昼食後から、母の時間が余って余ってどうしようもないのである。
もちろんわたしは母のために様々な愉しみを用意して待機しているのだが、当然ながらPCを使った自分の仕事もやっていかねばならない。
仕事中に母の様子を見ていると、元来読書週間がないのが痛いのだけれど、本当に「何もすることがない」のである。
テレビをつけても興味がなければ上の空になるし、今は1日に2回の軽めのベッド上リハビリだから、それだけではいかにも少ない。
ベッドの頭側を下げたままで午睡でも取ってくれればまだしも、そのまま目が覚めていたら、天井を眺めているだけ。
これではあらぬ妄想が生まれても致し方ない状況である。
つまりわたしはこの時、わたしの付き添いが始まるまでは、3月から既に2か月半以上、病室では一人で過ごし続けてきた母の精神的苦痛が実感を持って理解できたのだった。

そうなれば一刻も早くこの状況を改善せねばならない。
わたしは、「病室の母ができるだけ無為な時間を持たないように」様々な方法を実行し始めた。