●我が母、心臓バイパス手術後、大転子部不全骨折後、闘病記99日目~3週間強ぶりの入浴とリハビリ2日目。~映画『ジャッキー/ファースト・レディ 最後の使命』の常世感、浮遊感。

末尾ルコ「母の話、映画の話題」


6月26日(水)手術後99日目
転院63日目

6月25日の母は離床2日目で3週間強ぶりの入浴。
さそがし心地よかったことだろう。
リハビリもまだ短めであるが、午前・午後1回ずつ。
しかしベッド上より時間は伸びた。
もちろん理学・作業両療法士の介助のもとにだが、車椅子から出て2本のバーの間へ立つ練習もした。
やはり「右脚荷重なし(免荷)」はやり難そうだったけれど、想像していたよりは脚の力も衰えてないようだ。
車椅子へ座っての上半身筋トレ(重り1kg付バー)や風船的なボール(名前は知りません)を使ってのちょっとしたバレーボール遊びはとても上手くやっていた。

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ナタリー・ポートマンがジャクリーン・ケネディを演じた『ジャッキー/ファースト・レディ 最後の使命』はなかなかおもしろかったが、ナタリー・ポートマンがジャクリーン・ケネディに見えたかと問われれば、「ナタリー・ポートマンに見えた」としか言いようがないが、それは顔立ちの問題で、私にはよく分からなかったけれど、ジャクリーン・ケネディに馴染みの米国人が見たら、所作や話し方は非常に接近させているらしい。
ジャクリーン・ケネディへの思い入れは日本人にとっては容易に理解し難く、ジョン・F・ケネディ、そして大富豪オナシスに愛されたその魅力についても見た目だけではよく分からない。
人様の「見た目」についてどうこう言うのは失礼ではあるけれど、芸能人や著名人の容姿がファンや一般人たちの話題になるのは致し方ない。
ジャクリーン・ケネディの顔に関しては、わたしの目からは「ファニーフェイス」の仲間、日本流に言えば少々「ちんくしゃ」のタイプに見える。
対してナタリー・ポートマンは正統的美形タイプ。
しかも170cmを超えるジャクリーン・ケネディを演じるのにナタリー・ポートマンはいかにも小さい。
が、同作品でポートマンがアカデミー主演女優賞にノミネートされた如く、多くの批評家やファンに高く評価されたという事実はある。

わたしが『ジャッキー/ファースト・レディ 最後の使命』を観て愉しめたのはその作風であり、当然ながら「暗殺で偉大な夫を亡くした悲劇のファーストレディの悲劇」という7描き方ではなく、愁嘆場も一切ない。
主に暗殺後のジャクリーン・ケネディの姿。
「世界最大の超大国のトップ暗殺」直後に注目度抜群だったファーストレディが何をどうこなしていかなければならなかったかを、事件後しばらくしてからのインタヴュー&回想という手法で淡々と描く。
不思議なことに場面によっては『2001年宇宙の旅』を観ているような常世感が醸成されていた。