●我が母、心臓バイパス手術後、大転子部不全骨折後闘病記117日目~音楽療法の時間が気に入りました、なのでまた『夜明けの祈り』について少しお話ししましょう。~20世紀に咲き誇ったハリウッド女優の凄み。21

末尾ルコ「母の話、映画の話」

7月14日(日)手術後117日目
転院81日目

7月から母は音楽療法の集まりにも参加し始めた。
音楽療法といってもその具体的な方法は様々だが、現在までA病院で母が参加した内容に限ってみると、「患者が歌う」「歌以外のレクリエーションをする」「会話を交える」という3通りを30分程度の時間に組み合わせながら進めているようだ。
歌が大好きな母は一度の参加で気に入ってしまい、土日祝祭日以外は毎日催しているという音楽療法へ極力参加することにした。
夕食までの時間を持て余し気味だった母にとっては格好の時間の一つとなりそうだ。

歌や音楽が人間の何に「いい」のか。
専門的なことは分からないが、しかしこの場合何をもって「専門的」と言えるかも分かりづらい。
音楽そのものに関してもわたしは10代の頃からいっぱしの音楽ファンのつもりでいたけれど、気が付けば専門的なことはほとんど知らない中途半端な音楽愛好家になってしまっている気がしなくもない。
しかしまあ音楽は太古から人間生活、とりわけ祝祭的な感情と密接に関わってきたのであり、あるいは映画『夜明けの祈り』についての書く時にどうしても言及したくなる讃美歌を歌うシーン。
讃美歌を歌う修道女たち。
しかもそれは極寒の雪に閉ざされたポーランド修道院で、ソ連軍の脅威蛮行に曝された中での彼女たちの歌唱である。
人間の尊厳に対するすぐさまの危機、圧倒的に現実的な死の脅威に取り囲まれている中で歌うとは何なのか。
もちろん修道女たちはキリスト教の教義を胸に歌ってはいる点、普通の人の歌唱とはそれは違うだろう。
けれど『夜明けの祈り』で描かれているのは何の迷いもなく教義を信仰している人たちではなく、大きな不審を持ち、それを分かっていながらも「信じようとすること」に一縷の希望を見出そうとしている人たちなのだ。
その点、「信じ切って」しまい、さっぱりした顔になっている人たちとはまったく違う。

ところで母とわたしが病室で練習している歌の中に、

「浜辺の歌」と
「椰子の実」があるが、

いいですね、どちらも。
曲も歌詞も。
またいろいろ紹介できればと思ってます。


・・・

20世紀は映像の世紀だとNHKでもよく言っているが(ドキュメンタリー『映像の世紀』の世紀はいつ観ても素晴らしい。ぜひ機会があれば、ご鑑賞を)、特にハリウッド映画が世界を制覇時代でもあった。
その中で咲き誇った掛け値なしのスーパーハリウッド女優たちを何人か挙げてみたが、皆ご存じでしょうか?

リリアン・ギッシュ
グレタ・ガルボ
マレーネ・ディートリッヒ
イングリッド・バーグマン
ヴィヴィアン・リー
エリザベス・テイラー
オードリー・ヘプバーン
マリリン・モンロー

映画大好きで、女優大好きのわたしです。
そんなわたしにとって、こうした人たちは常に天空に浮かぶ巨大な母船のような存在です。
これら女優たちについてもいつも話題に絡めながらお話を進めていきます。