末尾ルコ「母の話、健康医療・介護福祉の話題、映画の話題」

●11月12日(火)手術後238日目
退院後44日目

『オーシャンズ8』はサンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウエイ、そしてヘレナ・ボナム・カーターが顔を合わすだけでその事実だけでかなり愉しめるようでありたい。
無所帰りのサンドラ・ブロックが仲間を募り超高級宝石強奪を計画する。
映画史的にも定番の「痛快強奪(強盗)物」。
犯罪や背徳的行為が映画や小説の格好の題材であることは言うまでもない。
もちろん「善行」が映画の題材にならないというわけではない。
要はどのような味付けにするか。
つまりはどのようにエキサイティングにあうるかであって、傑作映画だけでなく高いクオリティの映画には必ずエキサイティングがあって、無ければ凡作・駄作の類いと言える。
「エキサイティング」という言葉をわたしは好んで使うが、もちろん日本語として流通している狭い意味ではなく、英語本来の複合的な意味として使っている。
あるいは「クレイジー」という言葉も大好きだし、「ゴージャス」もだが、これらももちろん英語本来の意味で使っている。

ところでわたしはスティーヴン・ソダーバーグ監督、ジョージ・クルーニー主演『オーシャンズ』シリーズが今一つ気に入ってなかった。
その理由はさて置いて、女優たちが主役となった『オーシャンズ8』はしっくり他の占めたのは、やはりわたしが女優好きだからか。
いや、男優も好きなのですけどね。
ただ、デ・ニーロなど別格俳優出演映画でなければ、まず出演女優を確認する。
まあ今日びケイト・ブランシェット、そしてサンドラ・ブロックが出ていれば一目散ですな。
サンドラ・ブロックは『スピード』で観た時とても好きになった。
その後ラブコメが多くなってずっと遠ざかっていた。
しかし『ゼロ・グラビティ』が凄かったですな。
宇宙空間の中で襲い掛かる数々の困難と闘いながら生還に執念を燃やす女を演じ、その姿はまるで宇宙的聖母。
『ゼロ・グラビティ』を観てからは、サンドラ・ブロックの出演作、過去作品も含めてどんどん観ていこうと決意した。
ラブコメに対しても、少なくとも米英作品については考えを新たにしようと思ったのです。

『オーシャンズ8』のごとき強奪(強盗)を題材とした映画や小説のおもしろさは、つまりおもしろい理由は多々あれど、その中の大きな要素は「システムへの挑戦」ですね。
多くの人間はシステムの中で日々を送る生活に、潜在的かつ顕在的にうんざりしている。
強盗(強奪)物は物語の中ではあっても、システムの中でのうのうと生きている人間をぎゃふんと言わせてくれる。

ところでわたしの母、『オーシャンズ8』はまるでピンと来なかったのです。
どうしてなのか?
また後日考えてみましょう。