末尾ルコ「母の話、健康医療・介護福祉の話題、読書の話題」

4月4日(土)手術後380日目
退院後184日目

『フランス革命夜話』という本を読んだのである。
著者は、辰野隆。
同書のカヴァー裏には次のような説明が書かれてある。

「大革命を彩ったロベスピーエル、ミラボー、断頭吏サンソン、シャルロット・コルデーなどの人物よもやま話や、ルイ十六世の最期、熱月(テルミドール)九日の真相を軽妙洒脱に披露。老若問答から大革命の熱情と悲哀に誘う異色の名著を復刻。エッセイ二篇(「革命夜話」「鬼才ボーマルシェ」)と翻訳一篇(「敗北者の運命」)を収録。」

フランス革命関連好きのわたしとしてはなぜ同書が未読だったか不思議なほどだが、まあそんなこともあるさ。
前述の説明に書かれてある「ロベスピーエル、ミラボー、断頭吏サンソン、シャルロット・コルデー」はフランス革命好きにはお馴染み。
でも日本で一般的にはどうだろう。
ロベスピエールやミラボーは世界史に出てくるだろうか。
ロベスピエールはフランス革命において強権を握ったジャコバン派のリーダーであり、独裁者。
「恐怖の大天使」と呼ばれた若く美しいサン・ジュストとともに「恐怖政治(テルール)」を推進した男である。
ロベスピエール、ダントン、マラーがジャコバン派の3巨頭として絶大な力を持っていたが、「人民の友」と呼ばれたマラーを暗殺したのがシャルトル・コルデーで、その美貌から「暗殺の天使」とも呼ばれた。
この『フランス革命夜話』では辰野隆がコルデーは「本当に美貌だったか」としばしああでもないこうでもないと可能性を述べてみたり、あるいはロベスピエールが特にお気に召さないようで、随所でディスりまくるのがご愛嬌という書物だ。
しかし確かにおもしろい。
一般的なフランス革命史の中には出てこない人物も取り上げられているし、とてもおもしろく読むことができた。
日本史にしても外国史にしても、日本人が書いたものはおもしろくない場合が多く、その理由のほとんどは「文章が詰まらない」、つまり「知識だけ披露している」ことだけれど、『フランス革命夜話』、あるいは現在では鹿島茂の各物などはとてもおもしろい。

ところで「夜話」という熟語、「夜話」と読んでも「よばなし」と読んでもいいらしくて、日本語の感じは「いくつかの読み方でも間違いではない」ということがあっておもしろく難しい。
ちなみに「中条あやみ」は、(「なかじょう」かな、「ちゅうじょう」かな?)と悩んだ・・・わけではないが、「なかじょう」と読むようです。
・・・

4月1日、いわゆる新年度であるけれど、この日の昼食時、またしても口の中の同じ場所を噛んでしまった。
あの(ゴリッ)と鈍い音を感じられた時の虚しさよ、自分への苛立ちよ・・・。

致し方ないことであるけれど、ネットであれテレビであれ、新型コロナウイルスに関するニュースを見たり聴いたり読んだりする時間がやたら増えている。
その分他のことに使う時間が減っているのだが、ひょっとしたら「現代社会」を根本的に変えてしまう可能性さえある新型コロナウイルス禍だけに、より正確な情報把握は心掛けたい。