藤本ひとみの『天使と呼ばれた悪女』について続けますと、シャルロット・コルデーという女性暗殺者はフランス革命という世界史上でも「派手」という意味では屈指の歴史的事件の真っ只中に登場し、しかも恐怖政治を強行して実質的に革命の主導権を握っていたジャコバン派で「人民の友」と崇められていたジャン・ポール・マラーをあまりに衝撃的に殺害したことで名を残している。
もちろんシャルロット・コルデーが20代半ばの女性だったことも、多くの人々のロマンティシズムに訴えかけた。