「無防備都市」ロベルト・ロッセリーニ監督

「ネオリアリズモの最高傑作」だ。映画ファンならもちろん知っていなければならない。しかしもしそんな映画史的コンテクストを知らずとも、多少なりとも「映画」「芸術」に興味があるのなら、「観ずに死んではいけない」と断言したくなる世紀の傑作。ナチスに取り囲まれるアパート、逮捕されるフランチェスコ、「来るな」と叫ぶ声を振り切り後を追うピーナ(アンナ・マニャーニ)、背後からの銃撃・・。何度観ても魂を揺さぶられる。そして俳優たちの尊厳に溢れた演技。人類が誇るべき作品だ。